携帯によろしく 第八章(10)

「一平さん!?」
「もしよかったら!?主人の晩酌に付き合ってくださらないかしら!?」
と菊枝が言ったのです。
その時ちょうど一平は、
”食い過ぎたなあー!?”と思って、
バンドをゆるめようとしたところでした。

一平は、バンドをゆるめるのをやめると、
「あっ!?えー!??」
「小百合さんと約束したので!?」
「ちょっと聞いてきますので!?」
と言って立ち上がり、ちょこんと会釈をすると、
急いで居間に向かったのでした。

居間のドアをノックし、
「一平ですけど入っていいですか?!」
と言うと、
「どうぞ!?遠慮せずお入りになってください!?」
と小百合が言ったので、一平は部屋に入ったのです。

「すいません!小百合さん!?」
「小百合さんのお母さまが!?」
「お父様の晩酌に付き合ってくれないかと言われたので!?」
「小百合さんに送ってもらう約束をしたので!?」
「聞いてきますと言って、出てきたんですが!?」
「どうしましょうか?!」
と困った顔で一平はいっきに、小百合に言ったのでした。

小百合は立ち上がると、
「母がときどき晩酌のお付き合いをしていたんですが!?」
「今はアルコールは一切(いっさい)飲めないので!?」
「父もさびしいんでしょう!?ひとりで晩酌するのは!?」
「母が気を利かせたのでしょう!?」
と小百合は言って、少し考えると、
「一平さん!?申しわけありませんが!?」
「父の晩酌のお相手をしていただけませんか?」
と言ったのです。

「飲むのはいいんですが!?」
「食べすぎちゃって!!?」
と言うと一平は腹をなでたのです。
そしてすぐに、
「少し減るかもしれませんから!?」
と言って、ラジオ体操を始めたのでした。

そして一平が腕を大きく広げた時に、
手が小百合の胸に当たってしまったのでした。
「すいません小百合さん!?」
「ケガなかった!??」
と言って一平は、小百合のそばにすぐ行ったのです。

「ええ!?だいじょうぶですわ!?」
「すいません!?わたくしがすぐ近くにいたので!?」
「当たってしまったのですわ!?」
と小百合が答えたのです。
それからふたりは、お互いの目を見つめ合ったのでした。
そしてふたりが顔を近づけようとした時に、
ドアをノックする音が聞こえたのです。

「小百合!?一平さん!?」
「お話は済みました?!」
と菊枝が言ったのでした。
「ええ!?お母さまお入りになって!?」
と小百合が言ったのです。

一平は急いで小百合から2mほど離れると、
またラジオ体操を始めたのでした。
ドアを開け菊枝が、
「どうしたのですか?!一平さん??!」
と言うと、
「はい!?食事がおいしかったので!?」
「おかわりしたので!?。」
「それで、腹ごなしの運動をしていたところです!?」
と一平は答えたのです。

「一平さんは、おもしろい方ですわねえー!??」
とニコニコしながら菊枝が言うと、
「そうでしょ!?お母さま!??」
「一平さんおもしろいんですよ!?」
と言いながら菊枝のほうに背中を向け、
「ねえー!?一平さん!?」と言って、
一平にウインクをした小百合でした。

小百合にウインクされた一平は、
お嬢さんがそんなことをするとは思っていなかったので、
一瞬(いっしゅん)、唖然(あぜん)としましたが、
笑ってごまかしながら、
ラジオ体操をそのまま少し続けたのです。

「このぐらいやれば、少しはおなかがへこんだでしょうから!?」
と言って、一平はラジオ体操をやめたのでした。
「小百合さんに了解を取れたので!?」
「今から行きますので!?」
と菊枝に言うと、
「それはようございました!?」
「主人も喜ぶと思いますので、よろしくお願いします!。」
「小百合もいっしょに来るでしょ??!」
と菊枝が言ったのです。

「ええー!?まいりますわ!?」
と小百合が答えると、
「では先に行っていますから!?」
と言うと菊枝はドアを閉め、
足早に食堂に向かったのでした。

これで、お。し。ま。い。
第九章へ続く(予定?!)

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