携帯によろしく 第八章(9)

「俺はワインの銘柄はわからないから!?」
「料理に合いそうなのを持ってきてくれないか?!」
と大が言うと、
「わかりましたわ!?」
「でもその前に、一平さんを紹介しなければなりませんわねえ!?」
「きょうもお見舞いに来てくれたんですのよ!?」
と言うと、食堂に向かったのでした。

「一平さん!?お食事時中すいませんが!?」
「主人が戻ってまいりましたので、紹介いたしますわ!?」
と食堂に入ると、一平に向って言ったのです。
一平はすぐにイスを引き、立ち上がったのでした。
そしてすぐに大が入って来たのです。

「うちの主人の大と言います!?」
「あちらにいらっしゃるのが、山本一平さんです!?」
と菊枝は言うと、
台所の隣のワインセラーのある部屋に向ったのでした。
大の顔を見ると、
「初めまして!山本一平と申します!。」
そう言うと、お辞儀をしたのです。

「すまないね食事中に!?」
「きょうは優のお見舞いに来てくれたそうで!?」
「ありがとう!?」
と大が言うと、
「いいえ!とんでもありません!?」
「わたしこそ、夕食をごちそうになりまして!?」
「ありがとうございます!?」
と一平が言ったのでした。

「座って食事を続けてください!?」
と大が言うと、
「ありがとうございます!?」
と言って座って、一平は食べてる振りをしたのです。

それを見ていた小百合が、
「一平さん!?おご飯とお味噌汁のおかわりは?!」
と言ってくれたので、
「はい!じゃーお願いします!?」
と嬉しそうに言った一平でした。

小百合は、
「ご馳走様でした!。」
と言うと、
自分の食べたものを片づける振りをして、
ワゴンのところに自分の食べた食器を持って行ったのです。
ワゴンのところから小皿を出すと、
自分が食べてないヒレカツを一切(ひとき)れ載せ、
お盆にその小皿とよそったご飯と味噌汁を載せ、
一平のところに持って行ったのでした。

大は席に座ると、
「いただきます!?」と言ったあと、
前菜を食べ始めたのです。

小百合は一平のところに行くと小声で、
「これ!?お箸(はし)つけていませんから、お食べになって下さい!?」
と言うと一平は、
「すいません小百合さん、気を使ってくれて!?」
と小さな声で言ってから、
「すいません!ありがとうございます!!?」
と大きな声で言って、頭を軽く下げたのでした。

「食器はそのままで結構ですから!?」
「お食事がお済になったら、居間におりますので!?」
と小百合は言うと、会釈をしたのです。
それからワゴンのところに行きお盆を戻すと、
「お父様!?一平さんがお食事がお済になったら!?」
「お宅にお送りしますから!?」
「それまで、居間におりますので!?」
と言うと、小百合は居間に向ったのでした。

「わかった!?」
と大は答えたのです。
すると入れ替わりに、菊枝がワインとグラスを持って来たのです。
「これなら前菜にもお肉にも合いますから!?」
と言うと、グラスをテーブルに置き、
ワインを注いだのでした。

「小百合は、一平君を送って行くそうだから!?」
「それまで居間にいるそうだぞ!?」
と大が言うと、
「小百合が運転するから飲めないので!?」
「残念ですわね!?お相手がいらっしゃらなくて!?」
と菊枝が言ったのです。

「そうだなあー!?」
「お前は医者に、アルコールは止められているからなあー!?」
と大が、わざと大きな声で言ったのです。






▲Top