本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを適当に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
「わたくしの場合は、お母さま!?」
「でいいんでしょうけど!??」
「従兄弟(いとこ)やお友だちは、白石のおば様って呼んでいますけど!?」
「そういえば、近所の方々(かたがた)は!?」
「白石の奥様って呼んでいますわねえー!?」
と小百合が言ったのでした。
一平になんと呼んでいいのかと言われた菊枝は、
「ほんとですわねえー!?」
「一平さんがお困りなことはわかりますけど!?」
「わたくしも、どのように呼んでもらったほうがよいのか!??」
「わかりませんわねえー??!」
と、さっき笑っていた顔が、
困った表情に変わって、そう言ったのでした。
信号で車が止まると、
「おばさま!?って言い方でいいんじゃないかしら!??」
「普通に、おばさまでも!菊枝おばさまでも!??」
「白石のおばさまでも!??」
と小百合が言ったのです。
「そうですね!。」
「別に難しく考えなくても!?」
「おばさまでいいんですよねえー!??」
と一平が、嬉しそうに言ったのでした。
「じゃあー!そういうことで!?」
「おばさま!?よろしくお願いします!。」
と一平は後ろを振り向き会釈をし、嬉しそうにそう言ったのです。
「こちらこそ!よろしくお願いします!?」
と言って菊枝も嬉しそうに、会釈を返したのでした。
それからすぐに信号が変わり、再び車は走り出したのです。
環七通りから、横道に入りしばらく走ると、
白石家の駐車場の入り口に着いたのでした。
駐車場の入り口のシャッターが上がりきると、
車がそこにゆっくり入ったのです。
一平は最初の訪問のときとは違い、
車から出ると、小百合に質問をしたのでした。
「車のターン装置はあそこですか?!」
と言って指差すと、
「はい!左右二つあります!。」
と小百合が答えたのです。
ふたりの会話を聞いていた菊枝は、
「一平さん!?ではお先に行っていますから!?」
と言うと、
「すいません!?」
「すぐ行きますから!?」
と一平は答えたのです。
菊枝はドアを開け玄関に向かって歩いて行ったのでした。
「小百合さん!?ちょっとスイッチ入れてもいいですか?!」
と言うと、
「だめです!」と小百合は言ってすぐに、
「嘘です!やってみてください!?」
とニコニコしながら言ったのです。
一平はすぐにスイッチのところに行き、
「ありがとうございます!」
「ではお言葉に甘えて!?」
と言ってうれしそうに、スイッチを押したのでした。
「明かりのほうはセンサーで点く様になっているようですが!?」
「ターン装置は手動スイッチですね!??」
と一平が言うと、
「はい!安全のためにはセンサーより手動のほうがよいからと!?」
「そう設計の方が言ってくれたので、そうしました!!。」
と小百合が言ったのです。
「ではこの装置は、あとからつけたのですか?!」
と一平が言うと、
「はい!私が免許を取る時に父が心配して、付けてくれたんですよ!?」
とニコニコして、小百合が言ったのでした。
そんな話をしていると、車がシャッターのほうに向いて、
ターン装置が止まったのです。
「小百合さん!?お母さまが先に行ってしまわれたので!?」
「急いで行きましょう!?」
と一平は言うと、何気なく小百合の手を握って、
ドアを開け、急いで行こうとしたのです。
「ええ、そうですわね!。急ぎましょう!!」
と小百合が答えると、
ふたりはそのまま手をつないで、走って菊枝のあとを追いかけたのでした。