携帯によろしく 第七章(9)

一平は窓を開けてあったことに気がつき、
部屋の窓を閉め、戸締りを確かめたのでした。
そして隣の部屋にも行き、窓を閉め、戸締りを確かめたのです。
それから台所へ行き、窓を閉めたのでした。
玄関の戸締りを確認すると、パソコンの部屋に戻ったのです。

着替えと洗濯する物を持って、風呂場に行ったのです。
きょう着てた洗う物を洗濯機に放り込み、
いつものように洗剤と漂白剤と柔軟剤を入れ、
洗濯機のスイッチを入れたのでした。
それから風呂に入ったのです。

風呂を済ませ、ジャージに着替えると、
台所に行き冷蔵庫を開け、缶ビールと魚肉ソーセージを取り出したのでした。
テーブルのところに行き、イスを引き出し座ると、
魚肉ソーセージをつまみに、缶ビールを飲んだのです。
「うまいなあー!?」
そう言って、一口飲んでは一口食べ、
またそれを繰り返したのでした。

一平が缶ビールを飲み終え、魚肉ソーセージを食べ終わると、
あと片づけを済ませ、パソコンの部屋に行き、
パソコンのスイッチを入れたのでした。
メールをひと通り見終わると、GyaOからのメールで、
このあいだ途中で見るのをやめた映画の配信が、
あしたで終わるお知らせのメールが来ていたので、
お気に入りから、GyaOへと接続したのです。

映画の途中から見始め、しばらくすると洗濯機のブザーが鳴ったのですが、
そのまま続きを、終りまで見たのでした。
それから洗濯機のところへ行き、洗濯物を風呂場に干し、
ドアを閉め、風呂場の乾燥機をタイマーセットすると、
洗面所で歯を磨き、電気を消し、台所に行きジャーのスイッチを切ったのです。
そしてあまったご飯をラップに包み、
冷凍庫にそのまま入れたあと、
パソコンの部屋に戻って来たのでした。

パソコンの画面にWindowsのロゴが泳いでいたのです。
Enterキーを押し通常の画面に戻し、
パソコンのスイッチを切ったのでした。
そして一平は部屋の明かりを豆電球にだけして、眠りに就いたのです。

朝、目覚めると一平は、顔を洗いうがいをし、台所に行くと、
フライパンを暖め、きのう冷凍庫に入れたご飯を取り出すと、
そのまま電子レンジで1分、チンしたのでした。
それをフライパンに入れ、
買っておいたチャーハンの素を適当に入れ、混ぜ合わせたのです。
チャーハンを作り終わると、インスタント味噌汁を作り、
朝食として食べたのでした。

「ちょっと味が濃かったなあー!?」
「ご飯の量より少しチャーンの素を多く入れすぎたかな?!」
と言いつつも、全部食べたのでした。
「ご馳走様でした!。」と言い終えると、
使ったフライパンを洗いキッチンペーパーでふき取ると、
棚のいつものところに置いたのです。
そのあと食器を洗い、水きり桶に入れたのでした。
そして歯を磨き終えると、ドライヤーを使い頭をセットしたのです。

一平は着替えを済ませると、いつものカバンを持ち、
いつものように玄関の鍵を閉め、
階段を歩いて降りたのでした。
いつもの道を、高田馬場の駅まで歩いて行ったのです。
電車に乗り会社の近くの駅で降りたのでした。
会社に着くと自分の担当の部へ行き、タイムカードを押し
またいつも通りに一日が始まったのでした。

「一平どうだった!?彼女の様子は!??」
と一平を気づかい、泰三が訊いたのです。
「ナースステーションのすぐ近くの部屋で!?」
「いろいろな機械装置が取り付けてありました。」
と一平が答えたのでした。

「集中治療室じゃないんだー?!」
「手を消毒して、マスクをして、割烹着みたいのを着て!?」
「いくつものベッドがあって!?」
「そういうところに行ったんじゃないのか?!」
と、泰三が言ったのです。

「えー!?個室の部屋でした。」
「もう!治療は終えたんでしょうかねえー!?」
「治療の細かなことは訊けませんでした!?。」
「命が助かってもやはり・・・」
そう言うと、もうそれ以上一平は、話すことができなくなったのでした。

「一平!?話はもういいから、元気出せよ!!?」
と泰三が肩をたたき言うと、
一平は涙をいっぱいため、うなずいたのでした。






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