携帯によろしく 第七章(8)

「この食器はそちらの流し台にお持ちすればよいのでしょうか?!」
と小百合が言うと、
「あとでわたしが片づけますので、そのままで結構ですよ!?」
と一平が言ったのです。
「では駐車場までお送りします!?」
と言って一平が立ち上がると、
小百合もすぐに立ち上がったのでした。

小百合は玄関へ行き、スリッパを揃え靴を履くと、
ドアを開け外に出たのです。
一平もすぐに外に出て、鍵を閉めると、
「ではまいりましょう!?」
と言って、ふたりでエレベーターのところまで行ったのでした。

ふたりはエレベーターが来るのを少し待ち、
来るとそれに乗り込んで一階まで降りたのです。
そして、車が停めてある駐車場まで歩いたのでした。

駐車場に来ると小百合は、運転席に乗り込みシートベルトをすると、
窓を開け、
「きょうは本当にありがとうございました!。」
「必ず携帯にお電話してくださいね!?」
と小百合が言うと、
「はいまたお見舞いに寄らせてもらいます!。」
「あしたは無理かもしれませんが?!」
「あさってにはお電話差し上げますので!?」
と、つい一平は言ってしまったのです。

「じゃあー!?うしろを見ますので!?」
と言って一平は、
「オーライ!オーライ!。」
と言いながら、バックして来る小百合の車を誘導したのでした。
車を道路に出すと、一平はすぐに運転席のところまで行き、
「どうもありがとうございました。」
「お母さまによろしくお伝えください!!?」
「ご馳走になりました。」
と言うとお辞儀をしたのです。

「ではあさって!?」
と小百合が言うと、
「はあー??!」と言ってすぐに、
「はい!ではあさって!!?」
と一平は言うと、小さく手を振ったのでした。

小百合は一平のほうを向き会釈をすると、
うしろから車が来ていないのを確認して、
車を出し、走って行ったのでした。

一平はすぐにマンションに戻り、エレベーターでは行かずに、
3階まで、階段を上って行ったのです。
部屋の鍵を開け中に入ると、手を洗いうがいをし、
顔を洗うと、着替えをしに、パソコンの部屋に行ったのでした。

着替えが済むと、風呂を掃除する前に、
食器を洗い桶に入れ、水に浸したのです。
それから風呂掃除をしたのでした。
いつもの温度設定で風呂を沸かしたのです。

風呂が沸くまでのあいだに洗い物を済ませ、
洗濯機に洗濯物を放り込み、
洗剤と漂白剤と柔軟剤を入れ、スイッチを入れたのです。
「これでとりあえずOKかな!??」
と一平は言うと、
パソコンの部屋に行きベッドで横になったのでした。

「なんかすごく疲れたなあー!?」
と言うと、寝てしまったのです。
パソコンの机の上に置いてあった、
マナーモードにしてあった携帯のブルブルルという、
鈍(にぶ)い音で目が覚めたのでした。

「もしもしー!?」
「いくちゃんー!?」
「うん!元気だよー!!?」
「今終わったんだー!?」
「ご苦労様!?」
「きょうはお見舞いに行ってきたんで!?」
「少し気疲れしたみたいだよー!??」
「詳しいことは今度会ったときに話すけど!!?」
と一平は言ったのです。

「わたしのこと愛してる!?」と育子が言うと、
「うん!愛してるよ!!」
「じゃあーねっ!」「チュ」
そう言うと、
テレビ電話の携帯の画面に出ている育子と、お互いキスをしたのでした。
「じゃあねーお休み!!?」
そう言うとまた画面で「チュ」をしたのです。
「じゃあーねー切るよー!?」
そう言うとまた画面で「チュ」をしたのでした。(やっと終わったか!!?)

そしてまた育子が、
「わたしのこと愛してる!?」と言うと、
「うん!愛してるよ!!」そう一平が言い、
また画面で「チュ」をしたのです。(終わんないじゃん!じゃん!!)
「今度はほんとに切るからねー!?」
と一平が言うと、
「わかったー!?」と育子が言い、
画面で「チュ」をして電話を終えたのでした。(フー!?)






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