本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを適当に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
一平と小百合は、白石家の玄関を出たのでした。
そして、ガレージに向ってゆっくり歩いて行ったのです。
「きょうは本当にお忙しいのにありがとうございました!。」
「病院に来てくださるときは、いつでも前もってお電話をいただければ!?」
「わたくしが、一平さんをお迎えに行きますので!?」
「ご遠慮せずにお電話をください!?。」
「携帯の電話番号。お伝えしてありますよねえー!?」
と道すがら、小百合が言ったのでした。
「はい!先輩からいいえ!?」
「二宮さんから伝言で、伺っております!」
「でも小百合さんもお忙しいのではありませんか?!」
と一平が訊ねると、
「いいえ!習い事は、午後3時には終わりますので!?」
「遅くとも4時以降は、自由時間が持てますから!?」
「ぜひお電話してください!!?」
と小百合が言ったのです。
一平は少し考えて、
「わかりました!せっかくそう言って下さるのなら!?」
「病院へ伺うときには、前もって小百合さんの携帯に!?」
「電話させていただきます!。」
と、一平は言ったのでした。
ガレージのドアを開け、ガレージにふたりは入ったのです。
「一平さん!免許お持ちでしょ!?」
「運転なさいます?!」
と小百合が言ったのでした。
一平は小百合がそういう前に、
”一度はこういう外車を運転したいもんだなあー!?”
と一瞬ですが考えたのです。
「いいえ!?きょうは免許証持ってきていないんで!!?」
「だいいち、外車なんて運転したことないんで!!?」
「結構です!!?」
と、あわててそう言った一平でした。
「わかりました!?」
小百合はそう言うと、運転席のドアへ行ったのです。
一平は助手席のドアへ行き、ふたりは車に乗り込んだのでした。
シャッターは閉まっていたのが、徐々に上がっていったのです。
小百合はそのあいだにナビに入力したのでした。
シャッターが上がりきると、小百合はゆっくり車を走らせたのです。
「あれ?!来たときは前から入ったのに!??」
「今はそのまま出ましたけど!??」
と一平が今頃気づき、小百合に訊ねると、
「ターン装置がついているんです!?」
「フルオートではないんですけど!!?」
と答えたのでした。
「あのー!?よくビル型の駐車場にある!?」
「あの装置ですよねえー!??」
と一平が驚いたように言うと、
「はい!そうです!!?」
と小百合は、いとも簡単に言ったのでした。
車は環七通りに出ると、北上したのです。
そして、早稲田通りに入ると、東に向って走ったのでした。
やがて一平の住んでいるマンションに着いたのです。
すると、来客用の駐車場の1つが空いていたのでした。
「もしよかったらコーヒーでも飲んでいきませんか?!」
「来客用の駐車場が空いてるので、そこに車を止めればいいので!?」
と一平が言うと、
「そうですか?!」
「では少しだけ寄らせてもらいます!?」
と小百合は答えたのでした。
そして、車を駐車場に停めたのです。
一平はいつものカバンを持って車を先に降りると、
小百合が車から降りるのを待って、
いっしょにマンションまで、歩いて行ったのでした。
「ここの3階なんです!」
そう一平は言うと、きょうはエレベーターに乗って、3階で降りたのです。
部屋の前の玄関に着くと、小銭入れからいつものように鍵を出し開け、
先に玄関に入り上がると、お客さん用のスリッパを出し、
「どうぞ上がってください!」
「今空気入れ替えますので!?」
「ちょっとこのイスに座ってて、いただけませんか?!」
と一平は言い、一個のイスをテーブルから引き出したのでした。
「はいわかりました!?」
「おじゃまします!?」
小百合はそう答えると、そのイスに座ったのです。
一平は急いで、
流し台のところの窓と、奥のふたつの部屋の窓を開けたのでした。
「男臭いでしょう!?」
と一平は苦笑いして言うと、
「いいえ!?かすかにレモンの香りがしますけど?!」
と、小百合が言ったのです。
一平が緩(ゆる)やかな風が入ってくる、流し台のほうを見ると、
棚の隅に、レモンの芳香剤が置いてあったのでした。