携帯によろしく 第七章(5)

「一平さん!?アイスクリームをどうぞ!?」
と言ってナツさんが、
しゃれた柄のガラスの小皿に盛ったアイスクリームを持って、
一平の前に出したのでした。
「ありがとうございます!。」
そう言うと、スプーンを使い一口食べたのです。

「たいへんおいしいです!」
「手作りのアイスクリームですか?」
と一平が訊くと、
「はい!そうです。ありがとうございます。」
と、嬉しそうにナツさんが言ったのでした。

一平が食べているとナツさんが、
一平が食べているところをじっと見ていたのです。
視線が気になった一平は、
「なにか顔についていますか?!」
と一平が、ナツさんに訊ねたのでした。

「すいません!おいしそうに食べておられるので!?」
「つい、そちらに目がいってしまいました!?。」
「お嬢さまがああなってすぐは、皆さん心配して大勢来られたんですが!??」
「最近では、一平さんが久しぶりのお客さまでしたので!?」
「申しわけありませんでした。」
とナツさんが答え、軽くお辞儀をしたのです。

「そうですかあー?!皆さん気を使って来られないんでしょう!?」
と一平が言ったのです。
「ええ!?だといいんですが?!」
と、含みのある言い方をしてすぐ、
「アイスクリームまだありますけど!?」
と、一平がきれいに食べ終えるとすぐに、ナツさんがそう言ったのでした。

「もうおなかいっぱいです。」
「ごちそうさまでした!。」
と一平が言ったのです。すると、
「では、片づけてよろしゅうございますか?!」
とナツさんが言ったので、
「はい!よろしゅうございます!?。」
と、つい言ってしまった一平でした。

ニコニコしながら片づけるナツさんの顔を見て、
「えへへー!?」と言って、笑ってごまかした一平でした。
すると小百合が戻って来たのです。
「ふたりともうれしそうですね!?」
「何かおもしろいことでもあったのですか?」
と小百合が訊いたのでした。

「別にそれほどのこともないんですよ!?」
とナツさんが言うと、一平が、
「ナツさんが片づけてもよろしゅうございますか?」
「と訊いたので、ついそのまま、よろしゅうございます!。」
「と、答えてしまったんですよー!!?」
「オウムじゃあーないのにね!!?」
  とニコニコして一平が言ったのです。

「そうなんですかー?!」
と、小百合が言ったのでした。
「ところで!お母さまのおかげんは?」
と一平が訊くと、
「やはりちょっと血圧が上がっていたので、薬を飲んだら落ち着きました。」
「ありがとうございます。」
と、小百合が言ったのです。

「母が、一平さんにすいませんけど横になっているので!?」
「お相手できませんけど、”よろしく”とのことでした!?。」
と、小百合が一平に言ったのでした。
「いいえーとんでもない!お疲れでしょうから!?」
「じゃあーわたしはこれで失礼します!?」
「気にしないでくださいとお母さまに、お伝えください!。」
「ご馳走になりました。」
と一平が言って、お辞儀をしたのです。

「いいえーとんでもない!?」
「お仕事が終わってすぐ、お見舞いに来ていただきありがとうございました。」
と小百合は言いお辞儀をしたあと、
「一平さん!?では送って行きますので!?」
「ナビに住所と電話番号を入力しますので!?」
「ちょっとお待ちください!??」
と小百合は言うと、いったん部屋を出たのでした。
すぐにペンとメモ帳を持って戻って来たのです。
そして、一平のところに来たのでした。

「こちらに、住所と電話番号を入力していただきたいのですが?」
と言って小百合がメモ帳とペンを手渡したのです。
「わかりました!。」
そう一平は答えると、
住所と電話番号を書いたのでした。
「ここです!。」と一平は言うと、
ペンと、住所と電話番号を書いたメモ用紙を、小百合に手渡したのでした。

「ではまいりましょうか?」
と小百合に言われた一平は、
「はい!」と答え玄関に行くと、
「じゃあー!?失礼します。」
「ご馳走様でした!。」と言ってナツさんに会釈をしたのでした。
ナツさんはお辞儀をし、
「お気をつけて!?」と言ったのです。

「じゃあーナツさん!?お母さまのことよろしくね!?」
「一平さんを送って行きますので!?」
「お母さまにそう伝えてください!?」
と、ナツさんに向って小百合が言ったのでした。
「承知いたしました!?」
そうナツさんは答えると、お辞儀をしたのです。






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