携帯によろしく 第七章(4)

ビーフシチューを半分ほど食べると、
次にパスタが出てきたのでした。
そしてナツさんが一平のところにくると、
「シソ風味のパスタです。薄味に仕上げていますので!?」
「もしよかったら、ビーフシチューにからめてお召し上がりください!?」
と言ったのでした。

一平はビーフシチューをスプーンですくうと、
皿の端のほうのパスタにかけたのでした。
「ナツさん!?これでいいですか?」
と一平が言うと、
「はい!召し上がってみてください!?」
と、ナツさんが答えたのです。
一平は「おいしいです!」と言って、うまそうに食べたのでした。

「一平さん!?パスタまだありますので!?」
「遠慮しないで、おかわりしてください!」
と菊枝が言ったのです。
「おいしそうにたべますね!?」
と、小百合がニコニコしながら言ったのでした。

ワゴンのところに戻っていたナツさんが、
「おご飯もありますけど!?」
「一平さん!?お食べになりますか?」
と訊いたので、
「じゃあー!?かるく一杯お願いします。」
と、一平は言ったのです。

「スープはコンソメスープと、なめたけのお味噌汁とありますが!?」
「どちらがよろしいですか?」
とナツさんに言われた一平は、
「じゃあー!?両方お願いします!?。」
と、ほんとに遠慮なく、言ったのでした。

一平にそう言われたナツさんは、
ニコニコしながら、一平のところにそれらを持って来たのでした。
いちばん最初にご飯を一口、口に入れたのです。
すぐに一平は、
「このご飯は、どこのお米ですか?」
と驚いて訊いたのでした。

「魚沼産のコシヒカリです!。」
と菊枝が答えて、
「そうですよねえー!?ナツさん?!」
とナツさんに訊いたのです。すると、
「はい!。魚沼産のコシヒカリです!。」
と、ナツさんがすぐに答えたのでした。

「やっぱり!本物は違うなあー?!」
「俺が!?わたしが買ったことのある!?」
「魚沼産のコシヒカリとはぜんぜん違いますよー!!??」
「あれは間違いなく、ニセモノですねー!!?」
「このご飯を食べてわかりました。」
と一平が言ったのです。

「ごはん!?おかわりお願いします!!?」
とうれしそうに言ってからすぐに、
「いいえ!すみません!!」
「やめときます!!。」
「ほかのものが食べれなくなってしまうので!!?」
と、一平は言ったのでした。

本当はそうではなく、この味をうえつけちゃうと、
会社のご飯がまずく感じて、食べれなくなるのを恐れたのでした。
これは自分が住んでる世界とは違う世界の出来事なんだから、
そう一平は思い、ご飯のおかわりをやめたのです。
そして一平は、出されたものをすべてきれいに食べたのでした。

「ごちそうさまでした。」
と一平が言ったのです。
するとすぐにナツさんが、
「デザートのアイスクリームが最後にありますが?!」
「お食べになります?!」
と言ったのでした。

「はい!じゃあー遠慮なく、いただきます!?」
と一平は言ったのです。
「わたしはもう結構よ!?」
「ごちそうさまでした!。」
「一平さん!?ごゆっくりしていらしてね!?」
「これから薬を飲まなければならないので、失礼します!。」
と言って菊枝がイスから立ち上がったのでした。
すぐに一平も立ち上がったのです。

「では、失礼します!」
と言って軽く会釈をすると、一平も会釈したのです。すると、
「お母さまだいじょうぶ?!」
と小百合が言ったのです。
「ええ!?だいじょうぶよ!。」
「一平さんのお相手をしてあげて!?」
そう言うと、菊枝は部屋を出て行ったのでした。

「お病気なんですか?」
と一平が小百合に訊くと、
「ええ!血圧が高くて!!?」
「優があんなことになってから余計!!?」
と心配そうに言ったのです。

「わたしはここにいますので、行ってあげてください!!?」
と一平が言うと、
「じゃあーちょっと見てきますので!?」
「すぐ戻ってきますから?!」
そう小百合は言うと、部屋を出て行ったのでした。






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