携帯によろしく 第六章(7)

一平は育子のマンションを出るとまっすぐ氷川台の駅へ向ったのです。
氷川台の駅から池袋に出て、
そこから乗り換えて、高田馬場の駅に降りたのです。
そしていつもの道を自分の住んでるマンションまで歩いたのでした。
マンションに着き玄関のドアを開けロックし、
パソコンの部屋に入ると、ベッドにうつ伏せで倒れこんだのでした。
そしてそのまま寝てしまったのです。

携帯の目覚ましで目が覚めたのです。
「もう朝か!!?」
「会社行かなきゃー!!??」
と一平は言うと、起き上がり洗面所に行ったのでした。
眠気覚ましにシャワーを浴びたのです。
バスタオルを腰に巻き、そのまま台所に行ったのです。

ビーフシチューをチンすると、入れ物のままスプーンを持って、
ご飯を軽くよそると、いっしょに食べたのでした。
それから使った食器と容器を洗うと、
水きりカゴに入れたのです。

そしてパソコンの部屋に行くと、
通勤のスーツに着替えたのでした。
いつものカバンを持ち、玄関を出て階段を使い、
下まで降りたのです。
そしていつもの道を歩いて駅まで行ったのでした。
高田馬場の駅から電車に乗り、会社へ行ったのでした。

いつもの会社近くの駅で降りると、会社まで歩いてすぐでした。
会社の玄関からエレベーターに乗り、
設計室に入りタイムカードを打ち、担当の部へ行ったのです。

きょうはいつもより早く来たので、まだ誰もいませんでした。
しばらくすると少しづつ人が来たのです。
「一平さん!?きょうは早いですねえー??!」
「有給使ってどこに行ってきたんですか??!」
などとみんなから言われたのでした。

担当の部の朝のミーティングが始まる10分前に、
泰三が入って来たのでした。

「おはよう!」と泰三が言うと、
「おはようございます!きのうはすいません!?先輩!!」
「わざわざ、電話をもらって!!?」
と一平が言ったのです。

「ああー!?詳しい話はミーティングが終わってからな!!?」
と泰三が言ったのです。
「はい!!?」と神妙な顔つきで答えた一平でした。
ミーティングが終わると、
さっそく泰三のディスクの所に行った一平でした。

「きのうは気を使わせて済みませんでした。」
「それで彼女の容態は?!」
と一平が言うと、
「気の毒だけど!助かっても植物人間だそうだ!!?」
「お姉さんがお前に一度会いたいそうだけど!!??」
「どうする一平??!」
と泰三が言ったのです。

「はい!やはり会わなければならないと思います!?」
「俺がユーの携帯に電話して出たヤツが、
ユーの携帯を使っていたんですかー?!!」
と一平が言うと、
「そうらしい!!?」
「友だちが自宅に電話を掛けてわかったらしいんだ!!??」
「携帯に電話したら変な男が出て、付き合わないかとか言ったって!?」
「その友達も忙しくて、1週間ほど掛けてなかったそうなんだ!!?」
と泰三が言ったのです。

「警察で、携帯を拾ったと言ってるそうだけど!!?」
「それは本当らしいんだどうも!?」
「事故した現場は見ていないらしい!!?」
「女性の住所や履歴は残してあったって言ってたぞ!!?」
と泰三が言ったのでした。

「どうして俺がこの会社にいることがわかったんですか??!」
と一平が言うと、
「友だちがうっすら会社の名前を覚えていたそうなんだ!!?」
「お前と付き合っていることを友達に話したときに!?」
「会社の名前を言ったそうなんだ!?」
と泰三が言ったのです。

「これ一応メモっといたから!!?」
「自宅の住所と電話番号。それとお姉さんの名前と携帯の番号!!?」
と泰三は言うと、メモを一平に渡したのでした。
「お姉さんの名前。白石小百合(しらいしさゆり)って言うんだなあー!??」
「やっぱり金持ちは、品のある名前をつけるなあー!??」
と泰三は言ったのでした。

「でも先輩!俺の住所と携帯番号訊かれたら、
きょう携帯を忘れたからわかりません!!?」
「って、言ったのは嘘バレバレじゃあーないですか!!??」
と一平が言うと、
「かなあー??!やっぱり!!?」
「だけど!ほんとに知りたければ事情を言って、
会社に問い合わせをすれば聞けるんじゃあーないのか??!」
と泰三は言ったのでした。






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