携帯によろしく 第六章(3)

テレビの部屋の掃除が終わると、
一平がいつも使っている部屋の掃除をしていいか訊こうと、
風呂場に向った育子でした。

「一平ちゃんお風呂のお掃除終わった??!」
と育子が言うと、
「今もう少しで終わるよ!?」
と一平が言ったのです。
「ずいぶんと丁寧(ていねい)にやっているのねえー!??」
と育子が言ったのでした。

それからすぐに、「今終わった!!?」と一平が言ったのです。
育子は風呂場のドアを開けたのです。
「一平ちゃんどうしたの!?顔がビショビショよ??!」
と一平の顔を見て、育子が言ったのでした。

「うん!?ハンドシャワーを使ってたら、持ち替えるときに、
すべって顔にかかっちゃったんだよー!?」
と一平が答えたのです。
「でもなんか目が赤くなってるけどー??!」
と育子が言うと、
「洗剤が目に入ったんで、こすちゃったんだ!!?」
と言って、また目をこすった一平でした。

「だめよー!?こすっちゃあー??!」
「よけい赤くはれちゃうわよー!??」
と育子が言ったのでした。すると、
「育ちゃん悪いけど!?パソコンの部屋のタンスの上に救急箱があるから!?」
「そこから目薬を持って来てくれるかなあ??!」
と一平が言ったのです。

「わかったわ!!?」
「今取りに行ってくるから、そのままいてね!!?」
そう育子は言うと、急いで目薬を取りに行ったのでした。
すぐに戻ってくると、
「顔を上に向けてみて!??」そう育子は言うと、
手で一平のまぶたを広げて、両目に目薬を差したのです。

「両方とも真っ赤よ!!?」
「少しベッドで横になっていたほうがいいわよー!?」
「どおー?!足元見えるー??!」
と育子が言うと、一平は、
「うん!?見えるよー!?」
「心配かけてごめん!!?」と言ったのでした。

「ひとりで歩けるから!?」と一平が言ったのですが、
育子が心配そうに、いっしょについてきたのです。
一平はゆっくり歩いて、
パソコンの部屋のベッドのところまで行ったのでした。
そして仰向けに寝たのでした。

「どおー?痛い??!」
と育子が訊くと、
「悪いけど!?少し横になってるよー!?」
「目薬をパソコンのとこに置いてってくれる?!!」
「育ちゃん俺のことはいいから、夕飯の支度(したく)あるんだろー!??」
と一平は育子に言ったのでした。

「わかったわ!じゃあー!?ここに置いとくから!!?」
「お風呂もセットしとくからね!!?」
「ゆっくり休んでて、無理しないで!!?」
育子はそう言うと、
「じゃあ一平ちゃん!?夕飯の支度しにいくからね!!?」
と言い、パソコンの部屋を出たのでした。

育子はすぐに風呂場に行き、
風呂の沸き上がりを一時間後に設定したのです。
それから台所に行き、夕飯の支度を始めたのでした。
育子が部屋を出たあと一平は、すぐに寝てしまったのです。

育子が夕飯の支度を終わると、一平のいる部屋に来たのでした。
「一平ちゃん、入るわよー!?」
と言って、部屋に入って来ると、ベッドのところに行き、
横になっている一平の顔を、覗いたのです。

「どんな具合?!まだ目痛いの??!」
と育子が心配そうに言うと、
「育ちゃんありがとう!?」
「育ちゃんの声で今起きたんだ!。」
と一平は言ったのでした。

「育ちゃんが部屋を出たあと、すぐに寝ちゃったみたいだよー!??」
と一平は言うと上半身を起こし、ベッドの上であぐらをかいたのです。
そして両手を使いベッドの横にいる育子のほうに、
あぐらをかいたまま、身体全体(からだぜんたい)を向けたのでした。






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