本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを適当に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
「育ちゃん待ってくれよ!?」
「悪かったよー!!?」
と、一平は言ったのです。
しかし育子は、すぐにドアを閉めたのです。
一平が部屋に入ろうとした、寸前でした。
ドア越しに一平は、
「ごめんよ!謝りたいからドアを開けてくれよ!!?」
と、育子に言ったのです。
「どうしたの?一平ちゃん!」
「ロックなんかしてないわよ!」
と、育子が答えたのでした。
それを聞いた一平は、なぜか、
「おじゃましまーす!」
と言って部屋に入ったのです。(弱い!。)
ドアを開け、顔だけで部屋を覗くと、
ちょうど育子が布団を敷いていたのでした。
それを確認すると、からだ全体を入れて、ドアを閉めたのです。
「悪かったよー!性病なんて言って!!?」
と、一平が言うと、
「わたしこそごめんね!?」
「”同棲”ってことばで、すっかり忘れていたことを、
急に思い出したの!?」
「一平ちゃんと、何度もキスしているのに!」
と、何事もなかったかのように、言ったのでした。
「よかった!すごーく怒ってるかと思ったよー!?」
と、一平が言うと、
「少し怒ったのは確かだけど!」
「すごーくなんか、怒ってないわよ!」
と、育子が言ったのです。そして、
「ここにあった物干しのセット、あっちの隅にかたづけちゃったけど!」
「あそこで、いい?!」
と言って、片づけたほうを、指差したのでした。
「ごめん!俺!片づけるの忘れてたよ!?」
「うっかりしてたあー!?」
と、一平が言うと、
「わたしが泊まるなんて!想定外だったから!?」
「しょうがないわよ!」
と、育子が答えたのです。
「俺のこと嫌いになったんじゃあーないんだ!!?」
「よかった!」
と、一平が言うと、
「もちろんよ!」
「好きじゃない人とキスなんかしない!」
「一平ちゃんのこと好きだから!?」
と、育子が少しはにかんで、言ったのでした。
「ごめんよ!」
「さっき育ちゃんが着替える前に、カーテン閉めるの忘れてたよ!」
「俺って!細かいこと気がつかないんだ!!?」
と、カーテンが閉まってるのを見て、一平が言ったのです。
「そんなこといいわよ!それより!?」
「敷布はどこにあるの?!」
と、育子が訊いたのでした。
「敷布かあー?!ちょっとまって!?」と、一平は言うと、
育子の荷物のために空けた引き出し以外を、
開けて見だしたのでした。
タンスの引き出しは2段だったので、
育子のために空けた引き出しの、すぐ下の引き出しに、
敷布は入っていたのです。
「あったー!やっぱりなあ!?」
「お袋のことだから、そうだと思ったよ!」
と、うれしそうに一平は言ったのでした。
「ありがとう!」
「敷くの手伝ってくれる?!」
と、育子が言うと、
「当たり前だよ!」と言って、
二人はいっしょに敷布を広げて、布団の上に敷いたのでした。
そして一平は、
「俺!性病じゃあないと思うけど!!?」
と、少し不安げに言うと、
「ごめんね一平ちゃん!」
「変なこと思い出して!?」
「一平ちゃんのこと、信じてるから!」
と、育子は言ったのです。
二人は近づくと、強く抱き合ったのです。
育子は抱かれると目を閉じたのでした。
目を閉じている育子も見つめると一平は、
「キスしていい??!」
と、育子に言うと、
育子は目を閉じたまま、軽くうなずいたのです。