携帯によろしく 第三章(11)

「下着はベッドのあるほうの部屋の!」
そう言いかけて、ベッドの部屋へ歩いて行き、
「このタンスの下から2番目と、3番目に入れておくんだ!」
そう指差して、
「2番目にはパンツなどの下半身のもの。
3番目には、ランニングやU首のシャツなどの上半身のものを、入れてるんだ!」
「一番下は靴下」
「わかりやすくていいだろ!?」
そう一平はうれしそうに言ったのです。

育子は洗濯物を持って、一平のあとをついて来たのです。
そして説明を聞くと、タンスの引き出しに、乾いたものを入れたのでした。
「ところでワイシャツは?!」
と、育子が訊くと、
「それはいつも着るのだから、そのビニールに入れて掛けておくんだ!」
そう一平は、答えたのです。
ハンガーラックに掛かって、ビニールをかぶせてあるワイシャツが、並べてありました。
その中に三つほど、ビニールだけのハンガーが、あったのです。

「クリー二ングに出すと、そんな感じでよこすだろ!?」
「そのまま利用してるんだ!」
と、一平は言いました。
育子はワイシャツを、ハンガーに掛け、
その上からビニールをかぶせたのです。
「これでいい?!」そう育子が言うと、
「うん!ありがとう!!」と、一平が言いました。

「じゃあ!ふだん通勤するときは、この部屋だけですむんだ!!?」
と、育子が言うと、
「普段使わないスーツは、隣の部屋のタンスに入れるけどね!」
「普段着なんかは、ベッドの下の引き出しにも入れてあるから!?」
そう一平が言ったので、育子が、
「一平ちゃん!ちょっと開けていい?!」
と訊くと、
「うん!いいよ!!」
「でもブランド品なんかないよ!」と、答えたのです。

育子は引き出しを開けると、
「そんなに、奥行きがないのね!」
「もっとも?!奥行きがありすぎると、奥の物を出すのに大変だけど!」
そう笑いながら言って、ペロッと、舌を出したのでした。
育子が引き出しを元に戻すと、
「育ちゃん立って!」と、一平が言ったので、育子は立ち上がりました。
一平は育子のしぐさがかわいかったので、思わず抱きしめたのです。
そして一平が育子を見つめてキスをしようとしたときに、
風呂のブザーが鳴ったのでした。

「お風呂のお湯がいっぱいになったみたいね!」 「お湯加減、みて来るからねっ!」
そう育子は言うと、風呂場に行ったのです。
「ああ!?」と拍子抜けしたように、一平は言ったのでした。
そして一平は、育子を追いかけるように風呂場に来たのです。
「ごめん!俺がやるよ!!」
「育ちゃんの服が、びしょぬれになったら困るから!?」と、言ったのです。

「だいじょうぶよ!」
「お湯加減みるだけだから!?」
と、育子はうれしそうに言ったのです。
二人はいっしょにお湯加減をみたのでした。
「このぐらいでいいかなあー?!」
「いつも42度に設定してあるから、ちょと熱いかも?!」
と育子の顔を見て言いました。
「いつも私も、42度に設定してあるの!」
そう育子が言ったのです。

二人はそう言うと、風呂のふたを閉めて、
台所の椅子に座ったのです。
「育ちゃん!」
「ところでそのボストンバッグ!何が入ってるの?!」
「来たときに、洋子さんが持っていたから、
洋子さんの物だと思っていたから、訊かなかったけど!」
と一平が言うと、
「ヨーコが気を利かせて、”持って行きな”って言うんで!」
「着替えを持ってきたの!」
と、育子が少し恥ずかしそうに言ったのでした。

「ホントに!!」
「じゃあ!?泊まってってくれる!育ちゃん!!」
そう一平は、うれしそうに言ったのです。
「うん!」そう育子が言うと、
一平は育子のところに行き、手を取り立ち上がらせ、抱き寄せると、
キスをしたのでした。
「狭いけどいっしょに暮らさないか??!」と、一平が言うと、
「よろしくお願いします!」
育子はそう言って、ペコッと、頭を下げたのでした。
(これからふたりは、同棲をするのでしょうか?!??。)

これで、お。し。ま。い。
第四章へ続く(予定?!)

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