携帯によろしく 第二章(9)

「ねえ!?一平ちゃんのご家族は今どこに住んでるの?!」
と、育子が訊くと、
「その頃おれは、寮にいたんだ!?」
「家族で話し合いをして、
姉さん夫婦が母さんを引き取ることになったんだよ!!?」
「親父の退職金と、保険金が入ったから、
中古の家を買ったんだよ!」
「新築でもよかったんだけど、
孫が大きくなればお金がいるからって、母さんが反対して!?」
「姉さんたちはアパートにいたから!?」
「よかったんじゃあないの?!」
「こんど連れてくけど!?」
「平塚なんだ!」そう一平は言ったのでした。

「平塚って!?七夕で有名な??!」
そう育子が言うと、
「そうだよ!育ちゃん行ったことあるの?!」
「行ったことないけど!旅行雑誌の会社に勤めてるから!?」
「知識だけはあるの!」
「平塚って、新幹線止まったっけ??!」(どんな知識じゃ!??。)
そう言ったのです。一平が、「止まらないよ!」と言うと、
育子は、「あっ!そおー!?」と、さりげなく言い放ったのです。

「チビがかわいくてさ!」
「しゃべるんだよ!!」と一平がうれしそうに言ったのです。
「その子2歳でしょ!もう、しゃべるわよ!?」
と、育子が言うと、
「そういう意味じゃあなくて!しゃべれるまでに成長したって意味さ!!?」
と一平が言い、
「そーかーあー!?そういう意味ね!」
と言って、納得した育子でした。

「ところで、一平ちゃんのとこのマンション?!」
「外側を塗り替えたって言ったけど!?」
「中もまあまあきれいなんだけど!」
「あれで、いくらぐらいなの?!」
と、育子が訊いたのです。

「えーと!?敷金、礼金、保険別で!」
「家賃が月11万で!維持費、管理費が1万2千だから!?」
と一平が言うと、
「じゃあ!?ひと月12万2千円!!」
「そんなに高いんだあ!?新しくないのに!!?」
「やっぱり!高田馬場ね!!」
そう育子が言ったのでした。そして、

「わたしんとこの倍かあー!?」と、何気なく言ったのでした。
「ここのほうが俺のとこより、新しいと思うけど!?」
「中は狭いからなあー!?でも6万するのか!!?」
一平はそう言ったのでした。
「ところで、こんなこと訊くのもなんだけどおー!?」
と言って、一瞬ためらったのですが、
「お給料。手取りいくらもらっているの??!」
と、育子は思い切って、一平に訊いたのです。

「給料!?そうだなあー!手取りだと!!?」
「残業がなければ30万ぐらいかな?!」
「だいたいあるから、32万から35万ぐらいかな?!」
そう答えたのでした。

「やっぱり男の人ねえー!?」
「30万もらうんだ!!?」
と、育子が言うと一平が、
「育ちゃんは、いくらもらってるの?!」
と、訊くと、
「わたし最近やっと、手取り20万もらえるようになったの!?」
そう答えたのでした。

「一平ちゃん!お給料の割りに家賃が高すぎるわよ!?」
「お給料の30%ぐらいに押さえなきゃあ!だめよ!!?」
と言ったのです。そう言われた一平は、
「そうかー?!それでか!」
「貯金ができなくなったのは!」
と、腕組みをし、そう言ったのでした。

「毎月必ず出るお金ってあるでしょ!?」
「家賃のほかに、電気、ガス、水道、受信料、
インターネット接続料、携帯のお金、とかさー!?」
「生活してくのに、どうしても必要だからね!」
「でもできるだけ出るお金を、少しでも減らさないとね!!?」
「とにかく、無駄なお金を出さないことよ!」
「だからと言って、無理して切り詰めても、続かないの?!!」
そう育子が言ったのでした。

一平は、育子の話を、「なるほどなあー!??」
と思い、聞いていたのでした。
「独身の男の人って、外食が多いって言うけど!」
「一平ちゃんもそうなの?!」
と、一平に育子が訊くと、
「そうだなあー?夕飯は、どうしても飲みながらになっちゃうから!?」
「毎日3000円ぐらい使うかな!?」
「同僚や、友達と飲むときもあるから、そのときはどうしても、
1万とか2万とか、使ちゃう事が多いなあー!!?」
一平は、そう言いました。

「じゃあ!?一平ちゃん!!朝はどうしてるの??!」
と、育子が訊くと、
「あさ?!」そう言って、しばらく考えると・・・






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