本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを適当に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
育子が化粧を落として、洗顔し、さっぱりした顔で、
「ごめんね!お待たせ!?」
と言って、現れたのです。
その顔を見たとたん、一平は椅子から立ち上がり、
育子の方に近づくと、思わず、
「育ちゃんって、化粧したときと、すっぴんのときとあまり変わらないんだね!」
と、正直に言ったのです。すると、
「そう!よく言われるの!?」
「お化粧がうまくないのよ!」
と、あっけらかんと言いました。
一平は育子を抱きしめると、おでこにキスをしたのでした。
育子は少し顔を上に上げると、一平の顔を見て言いました。
「わたしのこと好き?!」
一平はすぐ、
「好きだよ!育ちゃん!!」
と言ったのです。すると育子が目を閉じたのでした。
一平は、自分の唇を、育子の唇に合わせたのでした。
やさしくキスをしたのです。
しばらくして、唇を離すと一平は、
「ところで育ちゃん!
蛇口のとこについている、小さい浄水器だけど、どこで買ったの??!」
と訊くと、
育子は、自分のいつも座る椅子のところへ歩きながら、
「あれは、東京に来てすぐに買ったから、
えーと?!もう3年ぐらい使ってるかなあー!?」
「東急ハンズで買ったの!」
「けっこう高くて1万円以上したのよ!」
「それにフィルターも2ヶ月に1度変えなきゃならないから!?」
「でもぜんぜん違うからね!あるとないとじゃあ!?」
そう言ったのでした。
「そーかあー!?東急ハンズか!」
「”東京に来てすぐ”って言ったけど!どこに住んでいたの?!」
そう一平が椅子に座り、訊ねると、
育子も椅子に座って、
「浜松!浜松町じゃあないわよ!!?」
と、言ったのです。
「ヨーコとは、高校まで浜松で一緒だったけど、
あの子は大学。東京の大学だったの!」
「東京に行くとヨーコのとこに停まってたの!」
「わたし、大学まで浜松だったから!?」
「就職は、東京に決めていたの!」
「名古屋に行く子もけっこう多かったけど!?」
そう育子が言ったのでした。
「そういえば、浜松からだったら名古屋のほうが近いのか?!」
「東京のほうが遠いんだ!」
一平は地図を思い浮かべて納得したのでした。
「ヨーコが東京に来てびっくりしたのは、水がまずかったこと!」
「わたしもそうだけど!!」
「東京の人ってこんな水飲んでるの?!って思ったわ!」
「最初!水を買って飲むなんて!!信じられなかったもの!?」
「でも生活してると納得したの!」
そう育子が言ったのでした。
「ヨーコは最初の頃、
水の2リットルのを買って冷蔵庫に入れてたんだけど!」
「けっこう重たいから、買って持ってくるのが大変だからって!」
「それで、浄水器に変えたのよ!?」
「私はその、ま。ね!」
と笑って言ったのです。
「育ちゃんごめんな!俺のとこで飲んだコーヒー!!?」
「うまくなかっただろ?!」
そう一平が言うと、
「少し濃い目に入れて飲んだから、
だいじょうぶよ!」(いや!。マズイはずだ!!。)
と、育子が言いました。
「俺は別にそれほどマズイとは思わないけど!」
「やっぱり!子供のときからうまい水をずーっと飲んでいたから、
よくわかるんだな!きっと!!?」
一平は素直にそう言ったのでした。そして、
「さっき!飲み比べたけど、ぜんぜん違うんだってことがわかったよ!」
「なれって恐ろしいなあー!?」
「健康は大事だからなあー?!」
と、一平は言ったのでした。
それを聞いた育子は、
「一平ちゃんって、タバコ吸わないんだ!」
と言うと、
「ああ!親父の遺言なんだ!!」
と一平が言ったのです。育子はびっくりして、
「いつ亡くなられたの?!」と言うと、
「3回忌やったから、丸2年かな??!」
と言ったのです。