携帯によろしく 第二章(6)

「違うわ!。ワンルームだから!?」
「一人暮らしなの!」
そう答えた育子でした。
「とにかく送ってくよ!」そう一平が言うと、
「ちょっと待って!トイレ寄るから!?」
育子がそう言って、トイレに入ったのでした。
トイレから出てくると洗面所に行ったのです。
育子は思わず「ひどい顔!」と小さな声で言ったのでした。
泣いたので、化粧が総崩れをおこしてたのです。(大沢崩れか?!。)
ほぼすっぴんでした。そして目の周りが赤くはれていたのです。

何を思ったか一平は、部屋に行くと、すぐに戻ってきました。
「育ちゃん!これ使う??!」
そう言って、マスクを見せたのでした。
育子は少し考えると、
「使ってみようかな?!」と言って、
一平から受け取ると、洗面所のところに行きマスクをつけたのです。

「これなら少しのあいだならいいわ!」
そして一平に「ありがとう!」
と、言ったのでした。
流しのところの明かりだけつけて、
そのほかの明かりは全部消したのです。
一平はコートを着て鍵を掛け、
二人は腕を組み育子の家に向かったのでした。

ふたりは、一平のアパートから10分ほど歩いて、
高田馬場の駅に着いたのでした。
電車で池袋まで出たのです。
そして、地下鉄の有楽町線に乗り換えると、
氷川台の駅で降りたのでした。
高田馬場の駅から氷川台の駅までは、20分ほどかかったのです。
氷川台の駅から歩いて10分ほどで、
育子のワンルームマンションに着いたのでした。

「ここの3階!」
と育子は言うと、自分の郵便受けのところを見て、
郵便物を持つと、
ふたりは、自動ドアを通り、エレベーターに乗ったのでした。
一平のところと同じような造りでした。
「なんだあー!?育ちゃん!俺の説明を黙って聞いていたんで、
育ちゃんの住んでる所と違う造りかと思ったよ!!?」
そう一平が言うと、

「だって!一平ちゃんが一生懸命説明してるから!?」
「悪いと思ったのよ!」
そう育子が言ったのでした。
3階に着くと「こっちよ!」そう育子が言うと、
左に曲がったのでした。育子の部屋の前に着くと、
「ちょっと待ってね!」と言い、
ショルダーバッグを開けると、中から鍵を取り出すと、
ドアを開けたのでした。

すぐに灯りをつけると、
「どうぞ!入って!!?」
「一平ちゃんのとこに比べるとぜんぜん狭いけど!?」
育子はそう言うと、靴を脱ぎ、
先にスリッパを履き、部屋に上がると、
「一平ちゃん!これ履いてね?!」と言って、
一平にお客さん用のスリッパを、出したのでした。
「うん!ありがとう!!」そう言うと一平は、
靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて、
育子の部屋に上がったのでした。

そしてすぐ、育子は、ドアの鍵をロックしたのでした。
「いろんな人が住んでるから用心しないとね!」
そう言うと、マスクを取ったのです。
「一平ちゃん!コート脱いで!?」
「ハンガーに掛けてくるから!?」
そういわれた一平は、コートを脱ぎ、育子に渡したのでした。

「ちょっと、失礼して、顔を洗ってくるわ?!」
「一平ちゃん!悪いけど、冷蔵庫開けると、
缶ジュースがあるから、好きなのを選んで飲んでてくれる?!」
「そこの椅子にでも座って!」
そう言うと育子は、6帖の部屋に入っていったのでした。

一平のコートをハンガーに掛けると、
育子は急いで、着ていた服を脱ぎ、ハンガーに掛け、
トレーナーと、ジーパンに着替えたのでした。
そして、タンスからタオルを出し、化粧台のところに行き、
クレンジングクリームを持つと、
ユニットバスの中に入ったのでした。

育子がすごく、顔のことを気にしていたのを感じていた一平は、
育子の言うとおりに冷蔵庫から、オレンジジュースを選んで開けて、
椅子に座って一口飲んだのでした。
一平は周りを見回すと、蛇口に小さな浄水器が、
取り付けられてるのに、気が付いたのです。
流し台の蛇口のところに行ったのです。
「おおー!この蛇口は、うちのと同じか!?」
と、小さな声で言ったのです。

浄水器のレバーを見て、「このレバーで切り替えるのか?!」
そうつぶやくと、実際にやってみたのでした。
近くにあったコップを持ってきて、浄水器を通した水と、
通さない水を、飲み比べてみたのです。
「へえー!!こんな小さなのでもこんなに違うのか!?」
と、びっくりしたのでした。






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