携帯によろしく 第二章(4)

一平が髪をなでていると、育子の泣き声が徐々に小さくなってきたのです。
髪をしばらくなでたあと、
「ごめんな!育ちゃん!!?」
と言うと、育子が泣き止みました。

育子は、頭を持ち上げると、真っ赤な目をして、
ショルダーバッグからハンカチを取り出すと、
ハンカチで顔を拭きながら、
「ごめんね!本当にごめんね!!」
「疑ったりして!?」
と言うと一平は、やさしく、
「いいんだよ!育ちゃんちょっと立って!!?」
と言うと座ってる育子の腕を持って、立たせたのでした。

そして抱き寄せると、力強く抱きしめたのです。
それからやさしくおでこにキスをしたあと、
「育ちゃん!俺と、結婚を前提に、付き合ってくれないか!??」
そう一平は言ったのでした。
「こんなわたしでもいいの?!」
と、育子はぐしゃぐしゃな泣き顔で小さな声で言ったのです。
「うん!育ちゃんが好きだから!?」
一平がそう言うと、
「ありがとう!」と育子が言いました。

「それって!OKってこと!!?」
と、一平が訊くと、
「うん!」と言って小さくうなずいたのです。
すると一平は、育子を抱き寄せ、
めちゃんこ強烈なキスをしたのでした。(どんなキスでしょう??!。)
育子はびっくりしましたが、とてもうれしく感じたのでした。
それから一平は、育子が取り上げて、
育子の前に置いてある自分の携帯を開くと、
電話帳の白石 優のところをすべて削除したのでした。

そのあと、二人のツーショットを撮ったカメラのところも、
ビデオのところもすべて消去したのでした。
育子は、最初何をしているのかわかりませんでしたので、
携帯をのぞいたのです。
カメラに写っている、二人のツーショットを消すのを見て、
そのことを理解したのでした。

「これでよし!。とー!!」
一平は、うれしそうにそう言ったのでした。
育子は一平の顔を見て、「ありがとう!」と言うと、
また泣きそうな顔をしたのです。
一平はその顔を見ると、育子を抱き寄せ、
強く抱きしめたのでした。
二人はそのまましばらくのあいだ、抱き合っていたのでした。

育子は、一平に抱きしめられていると、
気持ちが落ち着きを取り戻してきたのでした。
ふと、ダイニングにかかっている時計に、目がいったのです。
「ああ!もうこんな時間!?」
「帰らなくちゃあー!?」
と育子が言ったので、
一平は、思わず抱きしめていた腕の力を緩めたのでした。
「育ちゃん!泊まってけば!?」と言ってすぐ、
「そういうわけには、いかないなあー!?」と言い直したのでした。

育子はテーブルの上にあるコーヒーカップを持つと、
ミルクと、シロップの殻をその中に入れ、
流しに持って行ったのでした。それを見た一平は、
「育ちゃん!?水とお湯がレバーで調整しなきゃならないから、
気をつけてね!!?」
「やけどしないように!」と言うと育子は、
「うん!すぐわかったわ!!?」
「気をつけるから!?」と言ったのです。

そして洗いながら、
「一平ちゃん!このミルクとシロップの殻、洗ったけど!?」
「こっちの不燃ごみって書いてあるほうでいいの?!」
殻の水を切りながらそう訊いたのです。
「うん!不燃ごみのほうに入れてくれる!?」
「足でそこんとこを踏めばフタが開かるから!」
と一平が言ったのです。
「わかった!」そう育子は言うと、ペダルを踏みフタを開けると、
ミルクと、シロップの殻をぶん投げたのでした。いいえ!!。
殻をゴミ箱に入れたのでした。

「わたしもこのゴミ箱使ってるの!」
「足で踏むとフタが開くの!」
「便利だよねえー!?」
「わたしのより大きいけど!!?」
そう育子が言ったのです。
「へえー!?そうなんだあー!!?」と一平が言うと、
「ねえ!一平ちゃん!?」
「このスポンジだけのより、片面が硬くなってるほうがいいよ!?」
「こびりついた汚れも取れるから!?」
と、育子が言ったのでした。

「へえー!どんなの??!」と一平が言うと、
「うまく説明できないから、こんど来る時、買ってきてやるわ!?」
と育子が言ったのでした。






▲Top