携帯によろしく 第十四章(8)

女の子三人はイスに座り、食べながら六人で話をしたのです。
そして仕事帰りに六人で、
会社近くのいつもの店で、一杯やることになったのでした。
たいらくんは、
「少し遅れるかもしれないけど!?」
「必ず行きますから!!?」
とうれしそうに言ったのでした。

それからたいらくんは最初に食器を片付けると、
「じゃあー!?これで失礼しまーす!?」
と言ってお辞儀をし、
急いでカバンを持って、
次の取引先へと向かったのでした。

「わたしたちも行かなくっちゃあー!?」
「遅くなると、ガードマンのおじさんに怒られちゃうー!?」
と言うと、受付の二人も急いで食器を片付け、
食堂を出て行ったのでした。

そして昼も終わり、
仕事も終わり、
定時の五時になったのです。(はやー!!)

そして泰三が言ったとおり、
ひとりを除いて、他の全員が定時で帰ったのでした。
「頼むなあー!?かずきー!!?」
と泰三が言うと、
「はーい!!?」
「終わったら行きまーす!!?」
と和樹が言ったのです。

「あわてて間違えないようになっ!!?」
「無理してこなくてもいいから!?」
と笑いながら一平が言うと、
「そんなこと言わないでくださいよー!?」
「七時までには絶対終わらせますから!?」
と和樹が言ったのでした。

「文法的に間違ってるんだよなー!?その言い方?!」
「絶対は否定だからさあー!??」
「絶対のあとは、”ない”という否定形にならなきゃあー!??」
と一平がまじめな顔で言うと、
「そうすかあー!??」
「今度から気をつけますから!?」
と和樹が困った顔で言ったのです。すると、
「じゃあー!?なるべく早く来いよー!?」
「待ってるから!?」
と笑いながら言い、
和樹の肩を軽く叩いて、エレベーターに向かった一平でした。

泰三と一平はエレベーターを降りると、
受付のところで、絵里と受付の子ふたりを待ったのでした。
そして会社の者が玄関からどんどん帰って行くのですが、
なかなか三人は現れませんでした。

「おーい!一平??!」
「すっぽかされたんじゃあー!??」
と泰三が言うと、
「遅れちゃってえー!?」
「すいませーん!?」
「お待たせしましたあー!?」
と言って、女の子三人が来たのです。

「ずいぶん待ちましたあー!??」
と絵里が訊くと、
「いやー!?なあーいっぺい??!」
と泰三が言ったのでした。

「ちょっと待っただけだよー!?」
「和樹と打ち合わせしていたから!?」
「ねえー!?先輩!!?」
とニヤニヤしながら一平が言ったのです。
他の社員はもうみんな帰ったのでした。

それから五人でいつもの店へ向かったのです。
絵里が昼に電話して、六人分席を確保してあったのでした。

泰三が先頭で店に入ったのです。
「おやじさん!?来たよー!?」
と泰三が言うとすぐに、
「すいませーん!?席を予約した斉藤ですけどー!?」
と絵里が言ったのでした。

「絵里ちゃんかあー!??」
「斉藤って言ったから!?」
「誰かと思ったよー!?」
とニコニコして店の主人が言ったのです。

「おやじさんよく絵里ちゃんの名前覚えてるねえー!?」
「3・4回しか来てないだろう!??」
と一平が言うと、
「そりゃあー!?商売だからさー!?」
「それに一平さん!かわいい子はすぐ覚えるんだよー!?」
と、うれしそうに言った店の主人でした。

すると店の若い子が、
「一番奥のお席になりまーす!!?」
と言ったのです。それから五人が座ると、
すぐに注文を取りに来たのでした。

「とりあえず!先に5個、中生(ちゅうなま)を持って来てくれるー?!」
「ひとり少し遅れてくるから!?」
と一平が注文を取りに来た子に言い、
「遠慮せずに、ジャンジャン頼んでいいからさあー!?」
と泰三がうれしそうに言うと、
本当に遠慮なく頼んだ4人でした。(あじゃー!!)

それから五人で楽しそうに話をしながら飲んでいると、
6時少し前に泰三の携帯が鳴ったのでした。
「すいませーん!?松平ですけどー!?」
と携帯から、たいらくんの声が聞こえたのです。

「何やってるのー!?遅いじゃん!!??」
と泰三が言うと、
「本当に申し訳ないんですが!?」
「そちらに伺(うかが)うのが、七時過ぎると思うんですけど?!」
「時間的にまだ飲んでいますー!??」
とたいらくんが、すまなそうに言ったのでした。






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