携帯によろしく 第十四章(7)

会議が終わり、
部長と課長が出て来たのは、十一時をとっくに過ぎていたのでした。
ふたりが会議室から出て行くと、
「ああー!?」
「疲れたなあー!?」
と泰三が言ったのでした。

「たいらくん、ご苦労さん!!?」
「コーヒーでも飲もうかー!??」
と一平は言うと、電話の置いてあるところまで行ったのです。
そして内線で絵里のところへ電話を掛けたのでした。
「おかしいなあー!??」
「出ないよー?!」
と言うと、
「いいですよー!?」
とたいらくんが言ったのです。

「俺が飲みたいんだよー!?」
と笑いながら言うと、
「俺も飲みたい!!?」
「喫煙室まで行くの面倒だからさあー!?」
と泰三がうれしそうに言ったのでした。

「じゃあー!?ちょっと行ってきますよー!?」
と言うと、会議室を出て行った一平でした。

「このプロジェクト!」
「やっぱり、白石さんのお声がかりか??!」
と泰三が訊くと、
「上のことはよくわからないんですけど!?」
「その可能性、大(だい)ですねっ!」
と、たいらくんが言ったのです。

「三丸(みつまる)商事じゃあー!?」
「ふつうだったら、うちなんか相手にしてくれないから!?」
「そうじゃないかと思ったよー!?」
と泰三が言うと、
「試作も含めると!1年ぐらいかかりそうですねえー!?」
とたいらくんが言ったのでした。

「絵里ちゃんが!?」
「部長と課長のところに、お茶を持って行ってたんだー!?」
とドアを開け入ってくると、一平が言ったのです。

「そうかあー!?」
「あの子、気が利くからなあー!?」
「前の事務員とはえらい違いだなあー!?」
「派遣なのによくやってくれるよー!?」
と泰三が言ったのです。すると、
「前の事務員って?!」
「そんなに気が利かなかったんですかあー!??」
とたいらくんが言ったのでした。

「まあねっ!!?」
と一平は言い、
「そんなことより、あと10分で昼ですよー!?」
「一応、コーヒー頼みましたけど!!?」
と言ったのでした。

「どうせ、たいらくんさあー!?」
「昼をうちの社員食堂で食ってくんだろー!??」
と一平が言うと、
「はい!もう時間が時間ですから!?」
と、たいらくんが答えたのでした。

そしてじきに絵里が、コーヒーを三人のところに持ってきたのです。
「ありがとう!絵里ちゃん!!?」
「ありがとう!?無理言ってごめんねっ!!?」
「絵里ちゃん気が利くなあー!?お礼のキッスしようかあー??!」
と三人がそれぞれ言ったのです。

「いいえ!キスは結構です!!?」
「それより!会社終わったらおごってくださいよー!?」
と絵里がうれしそうに言うと、
「そうだなあー!?」
「きょうは、ひとりを除いて残業はないからなあー!??」
と、うれしそうに言った泰三でした。

「ひとりを除いてってえー!??」
と不思議そうにコーヒーを飲みながら、たいらくんが言うと、
「和樹だよー!?」
「山田!!」
と一平が、コーヒーを一口飲み言ったのでした。

「和(かず)ちゃんですかあー!??」
「やっぱあー!?ヒラは大変ですねえー!?」
「どこも?!」
と、しみじみそう言ったたいらくんでした。

それからじきに昼のBGMが流れてきたのです。
「さあー!?昼にするかー!?」
「絵里ちゃんもいっしょに行こう!?」
と泰三が言うと、
「コーヒーカップ洗ってから行きますから!?」
「受付の子達も上がって来るので!?」
と絵里が言ったのでした。

「そうかー!?」
「あの子達と仲がいいんだよねえー!?」
と一平が言うと、
「じゃあー!?男三人で行きますかー!?」
とたいらくんがニコニコして言ったのでした。

それから三人は食堂へ行き、
いろいろな話をしながら食べたのでした。
それから10分ほどしてから、
絵里と受付の子ふたりが食堂にやってきたのです。
そして女三人は、
泰三と一平とたいらくんがいるテーブルに来たのでした。






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