携帯によろしく 第十四章(5)

翌朝、
心地よい眠りから目覚めた育子は、一平より先に起きたのでした。
一平を起こさないよう起きると、ジャージに着替えたのです。
それから静かに部屋を出ると、
洗面所にいき、歯を磨き顔を洗ったのでした。
そして、きのうの洗った洗濯物を風呂場に干し、
バスユニットの乾燥機のスイッチのタイマーを入れたのです。

「よーし!これでOK(オッケイ)!!?」
と言うと育子は、朝ごはんの支度(したく)を始めたのでした。

しばらくすると一平が起きてきたのです。
「育ちゃん!?おはよう!!?」
と一平が言うと、
「おはよう!!?」
と育子が答えたのです。そして一平は、
「顔洗ってくるよー!?」と言ったのでした。

洗面所から戻ってくると一平は、
エプロン姿の育子を、後ろから優しく抱きしめたのでした。

そして一平は育子を自分のほうに向けさせると、
「愛してるよ!?」
とやさしく言ったのです。
「わたしも愛してる!!?」
と育子が言い、そしてふたりは、めちゃんこ強烈なキスをしたのでした。

それからふたりは、いつもより少し早めの朝食をとったのでした。
一平は食べ終わると、着替えを済ませたのです。
そのあいだ育子は、朝食の後片付けをしたのでした。
それからそのあと戸締りをしたのです。

一平はいつものバッグを持ち、出かけるために玄関に来たのでした。
「じゃあー!?行ってくるよー!?」
と一平が言うと、
「行ってらっしゃーい!!?」
「わたしもすぐ着替えて行くから!?」
と育子が言ったのでした。

「会社!?間に合うのー!??」
と一平が心配そうに言うと、
「ここからのほうが会社まで近いから!?」
「だいじょうぶよー!?」
と育子がうれしそうに答えたのでした。

ふたりはキスをすると、
「じゃあー出たら!?すぐロックするんだよー!?」
と一平が言い、
「はーい!!?」
と育子が答えたのです。
そして育子は一平がドアを閉めるとすぐロックしたのでした。
それからすぐに着替えたのです。

着替えを終え化粧をし、ガスの元栓を確認すると、
育子はドアの鍵を閉め、一平のマンションを出たのでした。
そして歩いて高田馬場の駅へと向かったのです。
駅に着くと電車を乗り継ぎ、
ほぼいつもと同じ時間に、勤務先に着いたのでした。

一平も電車を乗り継ぎ、会社近くのいつもの駅で降り、
少し歩くと会社に着いたのです。
自分の課に着くとタイムカードを押し、
先に来ている同僚に「おはよう!!?」と言うと、
「おはよーす!!?」と返事が返ってきたのでした。
それから一平は自分のロッカーへと向かったのです。
そして着替えを済ませ、自分の机に来るとイスに座ったのでした。

同僚としゃべっていた山田和樹(やまだかずき)が、
一平のところへと来たのです。
「せんぱーい!!?」
「顔色がいいですねえー!?」
と和樹が少し笑いながら言うと、
「そうか!?わかるー??!」
とうれしそうに言った一平でした。

「そりゃあー!?分かりますよ−!?」
「きのう!ルンルンで帰って行ったから!?」
と和樹がうれしそうに言うと、
「ばればれかあー!??」
と一平がニコニコしながら言ったのでした。

「ところで!きょうあたりから?!」
「また新しい設計が始まりそうだなあー!??」
と一平が言うと、
「一平さんはもう!泰三(たいぞう)さん!?」
「アッ!また間違った!!」
「課長代理から聞いているんでしょう!??」
と言って、和樹が探(さぐ)りを入れてきたのでした。

「少しなあー!??」
と一平があやふやに答えると、
「やっぱり!!?」
「俺は”ぺいぺい”だから?!教えてくれないんですよー!?」
「雰囲気が違ってくるんですよねえー??!」
と和樹が、少し緊張したように言ったのです。

「でもお前はまだ!今の設計のほうの修正が終わるまで!?」
「関係ないと思うよー!?」
と一平が言ったのでした。すると、
「修行(しゅぎょう)は厳(きび)しいねえー!?」
と言って、さっき話していた同僚のところへと戻った和樹でした。

「なんだあー!?アイツー!!?」
「探りを入れにきただけかあー!??」
と言った一平でした。
それからしばらくすると朝の朝礼が始まったのです。






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