携帯によろしく 第十四章(3)

「もしもしー!?」
「あっ!お母さん!?」
「どうだったあー!??」
と育子が言うと、
「お父さんねえー!?」
「日曜日は釣りに行くそうなのー!?」
「だから、土曜日ならいいって!!?」
と紀美子が言ったのでした。

「そう!土曜日ならこっちも都合がいいからあー!?」
「それで!何時ごろ着くように行けばいいかなあー!??」
と育子が言うと、
「お昼用意しておくから!?」
「11時過ぎに来たらあー!?」
と紀美子が言ったのです。

「分かったー!?」
「じゃあー!?そういうことで!!?」
と言ってすぐ育子は、
「ちょっと待ってー!一平ちゃんと替わるからー!?」
と言い、電話を一平と替わったのでした。

「急にお電話差し上げて申しわけありませんでした!」
「ありがとうございます!!」
「ではお父さまによろしくお伝えください!?」
と一平が言うと、
「では土曜日を楽しみにしていますので!?」
「失礼します!おやすみなさい!?」」
と紀美子が言ったのです。するとすぐ、
「おやすみなさい!失礼いたします!!?」
と一平は言うと、携帯を育子に渡したのでした。

携帯を受け取ると育子は、
「一応、金曜日にもう一度電話するからねっ!?」
「おみやげ買っていくけどー!?」
「何か欲しいものあるー!??」
と育子が言ったのです。

「何もいらないわよー!?」
「じゃあー!もう切るわよー!?」
と紀美子少し笑いながら言うと、電話を切ったのでした。

それから育子がまた洗い物を始めたのです。そして、
「一平ちゃん!おみやげ何がいいかなあー!??」
と言うと、
「人形焼なんてどうかなあー?」
「駅で売ってるからさあー!?」
と一平が言ったのです。

「そうだよねえー!?」
「新幹線乗るんだから!?」
「東京駅で買えばいいかあー!?」
と育子が言うと、
「小さい子はいいけどー!?」
「大人(おとな)だと!」
「虎屋(とらや)の羊羹(ようかん)のほうがいいかなあー!?」
「もしなんなら、銀の鈴近くの店のスイーツでも買って行ったらあー!??」
と一平が言ったのでした。

「じゃあー!?」
「人形焼と虎屋の羊羹とスイーツ買って行こう!!?」
とうれしそうに育子が言うと、
「三人なのに!そんなに買っていても困るだろう?!」
と一平が言ったのです。

「だいじょうぶだよー!?」
「いつもおみやげ買って行くと!?」
「ご近所に配るから!?」
と育子が答えると、一平が、
「いつも買って行ってるってことじゃん!!」
「俺に聞かなくたってえー??!」
と一平が不満そうに言ったのでした。

「ごめん!!」
「一平ちゃんはいつも実家へ帰るとき!?」
「”どんなものを買っていくかなあー!?”と思って聞いたの?!」
と育子が言うと、
「おみやげなんてふつう買っていかないよう!」
「平塚じゃあー!?近いしー!?」
「みんなで食事に行くので、俺がその時おごればいいから!?」
と、一平は言ったのです。

「そうだねえー!?」
「浜松よりずっと近いしねえー!?」
と育子は、納得してそう言ったのでした。

「ところで新幹線で、何時間ぐらいかかるって言っていたけえー?!」
と一平が言うと、
「ひかりなら1時間30分かなー!?」
「でも時間によっては、横浜で乗り換えたほうがいい場合があるの?!」
「それだと、もっとかかっちゃうけどねっ!」
と育子が答えたのでした。

育子が洗い物をしているあいだに一平は、
テーブルの上をきれいに片付けたのです。
そして台ぶきんで、テーブルの上をきれいに拭き終わると、
「他にやることあるー?!」
と言ったのでした。

「こっちも終わったから!?」
と言ってタオルで手を拭くと、
「一平ちゃん!ありがとう!!」と言って、
一平のおでこにキスをした育子でした。






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