携帯によろしく 第十三章(9)

「どっち派って言われてもー!??」
そう言って、手を伸ばしたまま考えた一平でした。

「うーん!?」
「別にこだわりはないよー!?」
「その時の気分によって!?」
「変えるかなあー!??」
「でもハムエッグ自体作ったことがほとんどないからなあー!?」
と一平は答えたのです。そして、
「そーだ!マヨネーズもうまいよー!?」
と言ったのでした。

「ところでキャベツはソースだよねえー!?」
と一平が言うと、
「ドレッシング作ろうか!?」
と育子が言ったので、
「いいよーいいよー!?」
「千切りキャベツはソースに限るよー!?」
とうれしそうに答えると、
ソースのキャップを開け、千切りキャベツにかけ、
ハムエッグといっしょに、おいしそうに食べた一平でした。

「育ちゃん!?」
「ハムエッグおいしいよー!?」
と一平が言うと、
「ありがとう!?」
「でもお料理ってほどのものでもないからねっ!?」
「お夕飯はちゃんとしたお料理を作るから!?」
と育子が言ったのです。

一平は朝食を済ませるとトイレへ行き、用を済ませ、
パソコンの部屋へ着替えに行ったのでした。
育子は自分も食べ終わると、後片付(あとかたづ)けを始めたのです。
一平はスーツに着替えると、
洗面所でひげのそり残しをそり、もう一度歯を磨いたのでした。
そしていつものカバンを持つと、玄関に向かったのです。

「じゃあー!?育ちゃん行ってきまーす!!?」
と一平が靴を履くと言ったのでした。
すると急いで育子がエプロンを取り、
「ちょっとまってえー!?」
と言って、玄関のところにやって来たのです。

「お出かけのキスは!?」
と育子が言うと、
一平は育子のおでこにキスしたのでした。
「違うー!?」
「ここ!!?」
と言って育子は、自分の唇のところに、人差し指の先をあてたのでした。

すると一平は育子を抱き寄せ、
めちゃんこ強烈なキスをしたのです。そして、
「これでいい!??」
と言ったのでした。

「うん!!?」
そう育子は顔を赤らめ答えると、
「いってらっしゃい!!?」
と言ったのです。そして、
「行ってきまーす!!?」
と一平は言ったあとすぐ、
「俺が出たらすぐロックするんだよ!!?」
と言ったのでした。

「はーい!!?」
と育子は答えると、
一平がドアを閉めるとすぐロックしたのです。
外でドアロックの音を確認すると一平は、
うれしそうにいつものように階段を下りて1階まで行き、
いつものようにマンションから駅まで、歩いて行ったのでした。

高田馬場の駅から電車に乗り、
いつもどおりに途中乗り換え、
会社近くのいつもの駅で降りたのでした。

いつものように会社に着くと自分の担当の課まで行き、
タイムカードを押し、着替えを済ませ、
自分の机のイスに座ったのでした。
すると、ほとんどいつも時間ぎりぎりに来る後輩の和樹(かずき)が、
一平のところに来たのです。

「おめでとうございます!?」
「一平さん!?ご結婚するそうで!!?」
とニコニコしながら和樹が言ったのでした。

「先輩かあー!?」
とすぐに一平が言うと、
「はい泰三さん!?」
「じゃあーなくて!?課長代理でした!!?」
「聞いたんですよー!?きのう課長代理に!!?」
と和樹が言ったのです。

「そのつもりだけど!?」
「まだお互いの両親にちゃんと話してないんだよー!?」
「お互いの両親に会ってからだから!?」
「それまでこのことは黙っていてくれよー!?」
と一平が言うと、
「わかってますよー!?」
そううれしそうに和樹が答えたのでした。






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