本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを適当に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
窓を開けてすぐ育子が、
「あれ!?」と言ったのでした。
それはちょうど一平がカバンを持って、
パソコンの部屋には入ろうとしていた時でした。
「どうしたの育ちゃん!?」
と一平が言うと、
「今、外から誰かに覗(のぞ)かれていたような気がしたのよー!?」
「人があわてて、エレベーターのほうに行ったような感じがしたの!?」
と育子が言ったのです。
「まだ調査しているのかなー!?」
と一平が言うと、
「なにー!?調査って!!?」
と育子が言ったのでした。
一平は、
”これこれしかじか”(古い!!)
と言って、テーブルのイスに座り、
育子をイスに座らせると話し始めたのでした。
(十二章まで読んでいただいた方はわかると思いますので!)
「へえー!?そんなことがあったんだあー!??」
「一平ちゃんと合わない間に!!?」
と育子が言ったのでした。そして、
「それで優さんは、どんな具合いなの!?」
と育子が言ったのです。
「きょう育ちゃんと会う前に小百合さんと会ったんだけど!?」
「医者に99パーセント意識は回復しないって言われたそうなんだ!!?」
「みんなある程度は覚悟はしていたと思うけど!?」
「じかに言われてしまうとショックだよ!!?」
と一平が辛(つら)そうに言ったのでした。
「ご家族、お気の毒ねえー!?」
と育子が辛そうに言ったのです。すると、
「そんな訳(わけ)で、一度小百合さんと会ってもらいたいんだけど!!?」
「いいかなあー!??」
と一平が言うと、
「わたしが会っていいのー!??」
と育子が言ったのでした。
「会わないほうがいいような気がするんだけど!?」
「お互いにとって!!?」
と育子が言うと、
「うーん!?」
「そうかもしれないなあー!?」
と言って一平は腕を組んだのです。
「ときどき、お見舞いにユーのところには行くけど!?」
「了解して欲しいんだ!育ちゃん!!?」
と一平が言うと、
「それはかまわないけど!?」
「一平ちゃん!小百合さんのこと好きなの!?」
と育子が、女の勘(かん)で訊(き)いたのでした。
「女性としてすばらしいと思うんだけど!?」
「結婚相手としては俺には似つかわしくないよー!?」
「お嬢さんじゃあーねえー!?」
と一平が言うと、
「わたしはお嬢さんじゃないから、似つかわしいんだあー!?」
と育子が言ったのです。
「ぜんぜん!!?」
「そういう意味じゃないよー!?」
「住んでる世界が違うんだ!!?」
「うまく説明できないけど!?」
と困ったように言った一平でした。
「なんとなくわかるような気がするけど!?」
「やっぱり、小百合さんのことが好きなんだあー!?」
と育子が言うと、
「だから違うって言ってるだろー!?」
「もうこの話はもうよそー!?」
「結婚して欲しいのは育ちゃんだけなんだから!!?」
と一平が、育子の目を見つめ言ったのです。
「ごめんね!一平ちゃん!?」
「やきもち焼いたりしてー!?」
と、うつむいて育子が言うと、
「いいんだよー!?俺こそごめん!!?」
そう一平は言うと、
イスから立ち上がり、テーブルを回り、育子のところへと行ったのでした。
一平は育子の手を持ち、立ち上がらせ抱き寄せると、
軽く唇にキスしたのでした。
一平が唇を離すと、
「わたしのこと好き!?」
「それとも!?」
「わたしのこと愛してる!?」
「どっち!??」
と育子が一平の目を見て言うと、
「育ちゃんのこと大好きだし!?」
「ものすごーく愛してる!!?」
と一平が言ったのでした。
すると育子は軽く目を閉じたのです。
一平は育子を力強く抱きしめ、
めちゃんこ強烈なキスをしたのでした。