携帯によろしく 第十二章(11)

「さーてとー!??」
と言うと一平は、和樹のところへ行ったのです。

「かずきー!?きょうは修正少なくてよかったなあー!??」
「2時間もあれば楽勝じゃん!!?」
とうれしそうに一平が言うと、
「先輩のほうは泰三さんがやってくれるからいいですけど!?」
「修正箇所(しゅうせいかしょ)も少ないしー!!?」
と和樹が言ったのでした。

「終わったら、いつものところで一杯やるんじゃあーないのかー!??」
と一平が言うと、
「どうですかねえー!?」
「デートじゃーないのかなあー!??」
と和樹が言ったのです。すると、
「そうか!?とにかくがんばれよ!!?」
と一平は言うと、泰三のところへ向かったのでした。

「先輩!!?」
「すいませんが後(あと)を頼みます!?」
と一平が言うと、
「ああー!?じゃあなあー!?」
「育ちゃんによろしく言っててくれなあー!??」
「今度四人で一杯やるかあー!??」
と泰三が言ったのでした。

「きょうはデートですか!??」
と一平が訊(き)くと、
「毎日、会ってるわけねえーだろー!??」
「それにきょうは、ファックスを俺が送るから!?」
「和樹が終わるまでいなきゃならないしなあー!??」
と泰三が答えたのです。

「じゃあー先輩!?」
「終わったら、和樹と軽く一杯やってやってくださいよー!?」
と一平が言うと、
「わかってるよ!?」
「そのつもりだ!!?」
「こっちのことは心配しなくてもいいから!?」
「早く病院へ行けよー!?」
と泰三が言ったのでした。

「はい!!じゃあー!?」
と一平は言うと、先にタイムカードを打ち、
ロッカールームへと向かったのです。

それからしばらくして着替えを終えた一平は、
担当の課に戻ると、
「お先にー!?」
と残業をやる数名に向かって言ったのでした。
すぐに「お疲れさん!?」
と言う返事が、みんなから返ってきたのです。

すぐにエレベーターに乗り一階に降りると、
急いで一平は会社を出ようとしたのです。
すると受付の女の子が、
「山本さん!ちょっとー!!?」
と言って、一平を呼び止めたのでした。

すぐに一平は受付のほうを向いたのです。
「なにー!??」
と一平が言って、受付のほうに歩いていくと、
「五時少し前に!?」
「最近!?山本さんを迎えに車で来る女の人が来ましたので!?」
「そちらの課に連絡したら!?」
「着替えてるということだったので!?」
「降りて来るまで待っていたんです!!?」
と受付の子が言ったのでした。そして、
「駐車禁止なので車で待っているそうです!?」
と、言ったのです。

「そう!?ありがとう!!?」
と一平は言うと、足早に玄関を出て、
ハザードランプをつけ道路に止まっている、
小百合の車のところまで行ったのでした。

車に近づくと、すぐに助手席の窓が開(あ)いたのです。
「どうしたの小百合さん!?」
と一平が言うと、
「急に来てすみません!!?」
「お話したいことがあるんですけど!?」
「車に乗っていただけませんか!??」
と小百合が真剣な顔をして言ったのでした。

「用事があって!!?」
「新宿駅東口(しんじゅくえきひがしぐち)まで!!?」
「行かなきゃならないんですが!??」
と一平が言うと、
「では東口までお送りいたしますので!?」
「その間(あいだ)だけでよろしいですから??!」
と、小百合が言ったのです。

一平は少し間(ま)をおいてから、
「わかりました!!?」
「ではその間だけお話を伺(うかが)いましょう!!?」
と一平は言うと、
小百合の車の助手席のドアを開け、
車へと乗り込んだのでした。

これで、お。し。ま。い。
第十三章へ続く(予定?!)

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