携帯によろしく 第十二章(6)

小百合の車を見送り終えると、
一平はいつものようにエレベーターを使わず、
階段を3階まで上がって行ったのです。
玄関に着くとドアの鍵を開け、部屋に入ったのでした。

着替えを済ませると、
「さーてと!?風呂でも洗うかあー!?」
と言って一平は、風呂場に行ったのです。
風呂場を覗(のぞ)くとフタがしてあり、
風呂が沸いていたのでした。

「そうだったー!?」
「きょうは風呂掃除をしてタイマーを掛けてから出かけたんだあー!??」
「すっかり忘れてたあー!?」
とうれしそうに言って、儲(もう)かった気分の一平でした。
それからとりあえず台所の窓を開け、
二つの部屋のカーテンを開け窓を開け、空気を入れ替えたのでした。

そして一平は、パソコンの部屋に行き、
着替えの下着を持つと脱衣かごのところに行き、
いつものように着ていた下着を洗濯機に突っ込み、
洗剤と柔軟剤を入れ洗濯機を回してから、風呂場に入ったのでした。

30分ほどで風呂から出てくると、
着替えを済ませ、
冷蔵庫のところに行ったのです。
開けるとすぐに缶ビール500mlを取り出し、
魚肉ソーセージを1本とチューブのからしを出したのでした。

流し台の水切りカゴから小皿を持ってくると、
醤油を入れ、チューブのからしをそこに垂らし、
箸でかき混ぜからし醤油にし、
ビニールの端を歯で千切り、皮をむいたのです。
左手で缶ビールを持ち、右手で魚肉ソーセージを持ち、
それにつけたのでした。

それから一平は、
ビールを一口飲むと、魚肉ソーセージをからし醤油につけ食べ、
それを交互にやって、缶ビールを飲んだのです。
「いつもながらうまいなあー!?」
と言って、すぐ1缶飲み終えたのでした。
流し台で洗い物をし、ちょうど洗い終わると、
ジャージのズボンのポケットに入れておいた携帯が、
ブルブル鳴ったのでした。

「もしもしー!?」
「育ちゃん!?仕事終わったのー!??」
と一平が言うと、
「一応わたしの担当は終わったんだけど!?」
「あしたみんなで手分けして、遅れているとこを応援するのー!?」
「だ、か、らー!?」
「午前中には終わりそうもないから!?」
「夕方病院のほうへは仕事の合間を見て、私から電話しとくからねっ!!?」
「仕事が終わったら、直接病院へ行っててちょうだいねー!?」
と、育子が言ったのでした。

「そうかあー!?午後いっしょに行けないんだあー!?」
「わかったよー!?」
と一平が言うと、
「ごめんね、一平ちゃん!?」
「じゃあー!?今、会社だから!!?」
「切るねー!??」
と言って、すぐ携帯を切ってしまった育子でした。

「育ちゃん忙しいんだなあー!?」
と一平は言うと、
携帯に向かって「愛してるよ!チュッ」
と、言ったのでした。       (ばっかじゃない!!?)

台所の窓を最初に閉めると、
次にテレビの部屋の窓を閉め、カーテンを閉めたのです。
パソコンの部屋の灯りだけを残し、
ほかは全部消したのでした。
パソコンの部屋に来るとパソコンのスイッチを入れたのです。
いつものようにしばらく待って画面が出ると、
「メールでも見てメール」などと言いながら、
フレッツのインターネットボタンをクリックしたのでした。

すぐには表示しないので、
いつものように携帯電話をパソコンの机の上に置くと、
ベッドに横になったのでした。
一平は、モニターの画面を眺(なが)めていたのです。そして、
「そういえば最近!?表示に時間が掛かるなあー!??」
「デフラグやらなきゃあーなあー!?」
と、言うだけでした。 (やらなきゃねえー!?わたしのように!!ウォホホ)






▲Top