本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを適当に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
ナツさんがすぐに玄関のところまで行ったのです。
菊枝もイスから立つと、
二人のあとを追いかけたのでした。
一平は靴を履(は)き終えると、
菊枝とナツさんに向かって、
「あしたは会社なので、小百合さんには送ってもらうだけですから!?」
「遅くなるようなことはありませんので!!?」
「ではこれで失礼いたします!!?」
と言って、お辞儀をしたのでした。
「小百合さん!?お気をつけて!!?」
とナツさんが言うと、
「わかってますわ!?」
と、小百合が言ったのです。
「では一平さんよろしくお願いいたします!!?」
と菊枝が言うと、
「はい!!?」
と言って一平は会釈をし、ふたりは玄関を出て行ったのでした。
一平と小百合は玄関を出て少し歩き、
ガレージに入リ、車に乗り込んだのです。
シャッターが上がりきると、
車は駐車場を出ていつもの道を、
一平のマンションに向かったのでした。
「きょうはお見合いなので、病院には来ないと思っていました!!?」
と一平が言うと、
「母にはまだ言ってありませんが!?」
「たぶん断られると思います!!?」
と、小百合が言ったのでした。
「小百合さんは!?」
「相手の方をあまりいい印象ではなかったのですか?!」
と一平が言うと、
「ふたりきりになってから!?」
「お付き合いしている方がいるんですか??!」
「そうおしゃったんです!!?」
と小百合が言ったのです。そして、
「どうしてですか?!と聞くと!?」
「お見合いの男性のお知り合いの方が!?」
「男性と、あるマンションに入るのを見たって、おっしゃったのです!!?」
と、小百合が言ったのでした。
「それって俺のことだよねえー!?」
「やっぱり、誰かに見られているような感じは!?」
「実際に見られていたんだあー!??」
と一平が言ったのです。すると、
「結婚を前提にお付き合いはしていませんけど!?」
「好きな方はいます!?と。」
「言っちゃいました!!?」
そう笑いながら小百合は言ったのでした。
「なんでそんなことをー!??」
「俺には結婚を前提に付き合っている彼女がいるって!!?」
「言ったじゃあー、ないですかあー!?」
と一平が言うと、
「わたくしは実際にその方とお会いしたことはありませんから!?」
と、小百合が言ったのです。
「信じてないのですね!!?」
と一平が言うと、
「いいえ!!」
「信じたくないだけです!!?」
と、小百合は答えたのでした。
それからしばらく沈黙が続き、
車は環七通りから早稲田通りに入ったのでした。
一平はしばらく考えたあと、
「一度、会わせますよー!?」
「彼女の都合を聞いてからですが!?」
と、一平が言ったのでした。
小百合は何も答えませんでした。
ただ前を見て運転していたのです。
一平も小百合が何も言わないので、
黙って前を見ていたのでした。
しばらく車は走り、
早稲田通りからマンションへ入る道に入ったのでした。
そしてじきに、マンションに着いたのです。
あいにく、来客用の駐車場は満杯でした。
「きょうは来客用の駐車スペースがありませんね!!?」
「玄関の前の道のところでバックすればいいでしょう!?」
と言ったあと一平は、
「小百合さんの都合のいい日はいつですか?!」
「やはり、土日のほうがいいのでしょう??!」
と言って、小百合のほうを見たのでした。