本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを適当に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
一平がシートベルトをしようとしたときに、
「一平さん!?ドライブお好きなんですよねえー!??」
「もしよかったら運転なさいませんか?!」
「きょうはお飲みになっていませんから?!!」
と小百合が運転席で、シートベルトをせずに言ったのでした。
「えっ!??」
と、シートベルトを右手でつかんでる状態で、一平が言ったのです。
「ここからだったら病院まで少しの距離だから!?」
「慣れていない車でも、ゆっくり行けばだいじょうぶかな??!」
と言ってその気になって一平は、
右手で持っていたシートベルトを離したのでした。
それを見た小百合はすぐ車を降り、
車の周りをまわり助手席のドアのところに来たのです。
躊躇(ちゅうちょ)していた一平でしたが、
小百合が助手席のドアを開けると、
「じゃー!?病院まで運転させてください!!?」
とうれしそうに小百合に言ったのでした。
「ええ!?遠慮せずに!!?」
と笑みを浮かべ小百合が言ったのです。
すぐに一平は車から降りると、
「すいませんこれお願いします!?」
と言って小百合に花束を渡したのでした。そして、
ぐるっとまわり、運転席のドアを開け、シートに座ったのです。
小百合から操作の説明を聞くと、
「わかりました!!?」
「最近、会社の車しか運転しいていないから!?」
「緊張するなー??!」
と言って、うれしそうに小百合の顔を見たのでした。
「運転歴長いんですか?!」
と小百合が言うと、
「大学入ってすぐ取ったので!!?」
「9年ぐらい経ちますかねえー??!」
と答えた一平でした。
「そうですかー!?」
「じゃあー!?もうベテランでいらっしゃいますねえー!?」
と小百合がうれしそうに言うと、
「いやー!?そんなことはないですよー!??」
とうれしそうに言った一平でした。
それからふたりはシートベルトをすると、
車はゆっくり走り出したのです。
「いやー!??ぜんぜん違いますねー!??」
「まあー!?会社の車と比較すること自体、変ですけどね!!?」
「やっぱりパワーが違いますねー!??」
「アクセル踏み込んだ感覚がまるで違いますよー!??」
「うーん!!?」
と、うれしそうに言った一平でした。
しばらく走ると一平は、
何気なく、オートマチックレバーに、軽く左手を添えたのでした。
するとその手の上に小百合が、やさしく右手を乗せたのです。
一平は前を向いたまま、すぐに手のひらを返して、
小百合の指と軽く絡ませたのでした。
交差点で信号機が赤になると、
小百合は一平の手をするりと抜け、
右手を、ひざの上に置いてあるバッグのところに持っていったのです。
そして一平がまた手のひらを返し、
オートマチックレバーの上に手を添え、車が走り出すと、
小百合はまた一平の手の上に右手を乗せたのでした。
また一平は手のひらを返し、小百合の指と絡ませたのです。
一平がウインカーを出すと、
小百合はすぐに手をバッグの上に持っていったのでした。
小百合は、まっすぐに走っている時、運転の邪魔をしない時だけ、
一平の手の上に自分の手を乗せたのです。
そして車は渋滞もなく、すぐに病院に着いたのでした。
車を駐車場に止めると一平は、
小百合から花束を受け取り、
ふたりは並んで病院へ入って行ったのです。
いつものようにエレベーターに乗り7階まで行き、
ナースステーションに寄ってから、
病室に入ったのでした。
小百合の母の菊枝がベッドの横のイスに座っていたのでしたが、
ふたりが入ってくると、すぐに立ち上がったのでした。そして、
「一平さん!お休みなのに来ていただきまして!?」
「ありがとうございます!。」
と言って菊枝が、お辞儀をしたのでした。
「いいえ!?とんでもありません!!?」
「何もできないのですが!?」
「寄らせてもらいました!!?」
と言って、一平もお辞儀をしたのです。そして、
「いつも同じパターンで申しわけありませんが!?」
「お花を飾っていただきたく、持ってきました!!?」
と言って菊枝に花束を渡したのでした。
「いつもありがとうございます!!?」
「では小百合さん!?さっそっくお花を替えましょう!?」
と菊枝が言うと、
「では花瓶を持っていきますので!!?」
と言って、花瓶が置いてあるところに行った、小百合でした。
「先に行っていますから!?」
と言うと菊枝は、ドアを開け病室を出て行ったのです。
「お母さま!?すぐ行きますから!??」
と小百合は答えたのでした。