本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを適当に用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
「すいません!?コースターないんで!!?」
「そのままですが!?」
と言って一平は、
コップに注いだジュースを小百合の前に置いたのです。
「わたしこそすみません!?」
「急にお寄りして!??」
と言うと、軽く会釈した小百合でした。
会話が途切れたので一平は、
「あしたお見合いですね!!?」
「いい方だといいですねー!?」
と言ったのです。
「あんまり気乗りしていませんの!?」
「父がむかしからお世話になっている方のご紹介なので!!?」
「父は、”お前がいやなら無理にしなくてもいいんだぞ!!?”」
「そう言ってくれたんですが!?」
と言うと、ひと呼吸おいたのです。そして、
「一平さんジュースいただきたいのですが!!?」
「よろしいでしょうか?!」
と小百合が言ったのでした。
「俺が先、口つけなくちゃー!?」
「小百合さんも飲みにくいですよねえー!??」
と言って、ジュースをコップ半分ほど飲んだのです。
そのあとすぐ、
「いただきます!?」
と小百合言い、ジュースを一口飲んだのでした。
「小百合さん!?ご趣味はなんですか?!」
と一平が訊くと、
「今、茶道と華道それにお料理を習っていますので!?」
「今は、趣味といえばそれでしょうか?!」
と小百合が言うと、
「なるほどねっ!!?」
と妙に納得した一平でした。
「一平さんのご趣味はなんですか?!」
と小百合が訊くと、
「趣味ですかー!??」
「そうだなー!??」
と言ってから少し考えた一平でした。
「去年ぐらいまでは、学生時代の友人と映画に行ったり!?」
「ドライブ行ったり、ボーリングやビリヤードしたり!?」
「麻雀やったりしていましたけど!??」
「それって趣味っていえるかどうかわかりませんけどねっ!!?」
「そういえば最近!?」
「仕事関係の人たちとの付き合いのほうが、多いかなあー??!」
と一平は言ったのです。
少し間をおき、
「先週だったかなあー??!」
「みんな都合が悪くなって、映画に行かなかったんですよー!??」
「やっぱり、みんなも仕事関係の付き合いがー!?」
「多くなってるのかもしれませんねえー!??」
と、一平は言ったのでした。
「ユーがああなってから!?」
「お友だちからのお誘いもありませんわ!?」
「気を使ってくれていると思うんですけど!??」
「ユーが意識を取り戻してくれれば!??」
と言って、少し涙ぐんだのです。
そして小百合は、隣のイスに置いてあるバッグから、
ハンカチを取り出したのでした。
一平は立ち上がりぐるっとテーブルを回り、
小百合のそばに行ったのです。そして、
「ユーがわたしたちの世界に戻ってくることを、願っていましょう!!?」
「時間がかかるかもしれませんが!?」
「そういう時が訪れると信じてねっ!!?」
と一平は涙をいっぱい溜め、そう言ったのでした。
座って、涙を拭きながらそのことばを聞いていた小百合が、
一平を見上げると、大粒の涙が出ていたのでした。
それを見た小百合はイスを引きゆっくり立ち上がると、
「一平さん!!?」
と言って、ゆっくり抱きついたのです。
一平は小百合を、強く抱きしめたのでした。
ふたりは涙を流しながら、
しばらくのあいだ強く抱き合っていたのです。
「小百合さん!??」
と言って、一平が抱きしめていた力を緩めると、
小百合も力を緩めたのでした。
そして一平と小百合はお互い、
涙をいっぱい溜めている顔を見つめ合ったのです。
「涙で!小百合さんの顔がよく見えないよー!??」
と一平が言うと、
「もっと近づけば、見えるかもしれませんわ??!」
と小百合が言ったのです。
一平は小百合を抱き寄せ、顔を近づけたのでした。
すると小百合が、ゆっくり目を閉じたのです。
「いいの?!」
と一平が言うと、
目を閉じたまま小百合は、軽くうなずいたのでした。
一平は、遠慮がちに軽くおでこにキスしたのです。