携帯によろしく 第十章(3)

一平はまた髪を整えると、
「戸締りをしなきゃなあー!??」
と言って、テレビの部屋に行き、ベランダの窓をロックしたのでした。
「ほかは閉めてあるから!?」
「これでよーしとー!?」
「あとは電話待ちかー?!」
と一平は言うと、パソコンの部屋に行ったのでした。

ベッドに腰掛けると、
”そうかー!?”
”花束だけじゃなく、何かおみやげでも持っていかなきゃあー!?”
”やっぱりだめかなー!??”
”いつもあとから思いつくんだよなー??!”
”だから気が利かないっていつも先輩に言われるんだよなー??!”
そう一平が考えていると、
ポケットの携帯がブルブルしたのでした。

「もしもしー!?」
と一平が言うと、
「小百合ですけど!?今着きました!!?」
「そちらのお部屋に伺ってもよろしいですか?!」
と小百合が言ったのです。

「えっ!?えー!??」
「もちろん、よろしいですけど!!?」
と一平は答えたのです。するとすぐに、
「車はこの間入れた駐車場に入れておけば、よろしいのでしょうか?」
と小百合が言うと、
「空いていましたかー!?」
「だったらそこに入れてください!!?」
「じゃあー!待っていますから!?」
と言った一平でした。

「空気入れ替えよー!??」
と一平は言うと、台所のところの窓を開けたのでした。
テーブルの上を台ぶきんで拭くと、
「コーヒーは失敗したから、ジュースならいいかー!??」
と言い、冷蔵庫を開けたのでした。
ジュースがあったので、
「そういえばきのう買ったんだ!!?」
「よーし!!」と、つい言ってしまった一平でした。

それからすぐにパソコンの部屋を覗いて、
「散らかってないな!?」
と言って、次にテレビの部屋に行き、
「下着干してあるけどいいかあー!??」
と言って、部屋のドアを閉めたのでした。

「そうだー!?トイレ、トイレ!??」
と言って、トイレのドアを開けたのです。
「これでいいと思うけど!?」
「便座のところだけ、拭いとくかあー!??」
そう言うと一平は、
棚ににおいてあるプラスチックのケースから、
便座クリーナーの紙を取り出し、拭いたのでした。

拭き終わると一平は、
ポイと便器に放り込み、流したのです。
それから洗面所の水が飛び散っているところを拭き、
鏡も拭き終わると、
「風呂場は関係ないかー!?入るわけじゃあーないからなあー??!」
と言うと、自分で笑ってしまった一平でした。

すると、「ピンポーン!!」
とチャイムの音がしたのです。
「はーい!!今いきまーす!!?」
と言うと玄関に行った一平でしたが、
”あれ?靴を用意してなかったあー!??”
とスニーカーを見てそう思った一平でした。

一平はうれしそうにドアを開けると、
「いらっしゃーい!!?」
と言ったのです。
「すいません、一平さん!?」
「急にお寄りして!!?」
と言ってお辞儀をした小百合でした。

「いいえ、とんでもない!?」
「とにかく上がってください!?。これ履いて!!?」
と一平が言い、スリッパを出したのです。
「失礼いたします!。」
と小百合は言って、靴を脱ぎスリッパに履き替えると、
一平は、
「ここに座ってください!?」
と言ってテーブルのイスを引き出したのでした。

一平は向かい側のイスを引き出し座ったのでした。
「ありがとうございます!。」
「バッグをこちらのイスに置いてもよろしいでしょうか?!」
と小百合が言うと、
「もちろんいいですよ!?遠慮しないで置いてください!!?」
と一平は言ったのです。すると、
「ありがとうございます!?」
と小百合は答え、バッグを隣のイスの上に置いたのでした。

「飲み物が、オレンジジュースしかないんですけど!!?」
「それでいいですか?」
と一平が笑ってごまかしながら言うと、
「はい!!?」
とうれしそうに言った小百合でした。

一平は食器棚からコップを2個取り出し、テーブルの上に置くと、
冷蔵庫を開け、ジュースの瓶を取り出しキャップを開けると、
コップにオレンジジュースを注いだのです。
注ぎ終わるとキャップを閉め、ジュースの瓶を冷蔵庫に戻したのでした。






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