携帯によろしく 第一章(11)

レストランがいろいろある場所に着くと、
バイキングをやっているところがいくつかありました。
その中から二人で選んだのです。
「いやあー!?食い過ぎちゃったよ!!?」
「一人2000円でお釣りがくるんだから、ここにしてよかった!!」
「けっこう種類もあってよかったね。育ちゃん?!」
と言うと、
「ほんと!よかったわ!!」
「デザートもあったし!」
と、育子が言いました。

二人はそう会話をすると、満足げにレストランをあとにしたのでした。
もうすっかり日が暮れた八景島でしたが、
まだ乗り物に乗っている人がかなりいたのです。
「食い過ぎたんで、乗り物に乗ったら吐いちゃうよおー!?」
と、一平が言うと、
「ほんと!ちょっと食べ過ぎたかな?!」
「少し歩く??!」
と、育子が言ったので、
「そうしよーかあー!?」
「久しぶりだよ!こんなデートは!?」
「なんか気持ちいいなあー!!」
と、うれしそうに言った一平でした。

育子は、ポケットから買っておいた粒ガムを取り出すと、
手のひらにのせ、
「一平ちゃん!ガム食べる?!」
と言うと、
「ありがとう!育ちゃん!!」
と一平が言い、
手のひらでそれを受け取ると、ガムを口に放り込んだのでした。

ふたりは、レストランやお店のあるにぎやかな所から、
海の見える少し暗がりへと、歩いていきました。
何組かのアベックがそこの場所にいたのです。
みんな考えることは、一緒のようです。
なぜか背もたれのないベンチが、ひとつ空いていました。(ホント??!)

「育ちゃん!。ここにすわろう!!?」
と言うと、一平は、自分のポケットからハンカチを取り出して、
ベンチの上に敷いたのでした。
「ありがとう!」
と言うと、育子はその上に腰を下ろしたのでした。
そして一平は、育子の右隣に座ると、
やさしく左手を、育子の左肩に回したのです。

一平は育子の顔を覗き込むように、
「おれさー!?今日一日育ちゃんといて、
本当に楽しかったよ!!」
「またデートしてくれる?!」
と言ったのです。
育子は恥ずかしそうに、
「うん!」
と言ってうなずきました。

「ごめん!」
と言って育子は、噛んでいたガムを持っていたポケットティッシュ
に包むと、ショルダーバッグに入れたのでした。
春だとはいえ、夜はまだ風が冷たかったのです。
「風が出てきたね!」
「寒いだろ!?」
と言うと一平は、両腕で、
育子の体をやさしく抱きしめたのでした。
育子も一平にもたれかかったのでした。

さっきまで、ガムをもぐもぐ噛んでいた一平が、
もぐもぐしていないので育子は、
「一平ちゃん!ガムは?!」
と訊くと、
「ガム?!飲んじゃった!!」
と言ったので、
「言ってくれれば、ティッシュに包んで、
ショルダーバッグに入れたのに!?」
と育子が言うと、
「からだは至って健康だから!だいじょうぶ!!」
とニコッと笑ったのでした。

一平は、周りを見渡して、近くに誰もいないのを確認すると、
「好きだよ!育ちゃん!!」
と、言うと顔を育子に近づけたのでした。
察知した育子は、軽く目を閉じたのです。
二人は初めてのキスをしたのでした。
二人は燃えて熱くなったのですが、
外の温度は、風も出てきてどんどん下がってきたのです。
離れたところにいた何組かのカップルも、
いつの間にか、いなくなっていました。

「一平ちゃん!寒いよおー!!」
「育ちゃん、寒くなってきたから帰ろーか?!」
二人はそう言うと、寄り添ったまま
メリーゴーランドがある橋のほうに歩いて行きました。
橋を渡り、八景島の駅に着いたのです。
そこから来た時と同じルートで戻ったのでした。
なぜかふたりは、高田馬場の駅で、一緒に降りた。と。さ!!。
めでたし。めでたし。

これで、お。し。ま。い。
第二章へ続く(予定?!)

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  携帯によろしく 第一章 以外の話 も、
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