本来コーヒー紅茶などをお出しして、御もてなししなければいけませんが、
インターネットの都合上それができません。
ご自分で好きなものを私にも用意していただき、
キーボードなどの上にこぼさぬよう注意して、
ときどき飲みながらでもお読みくださいませ。 m(_ _)m
育子が、
「このタワーの説明に、
”地上90mまで、ゆっくり回転しながら上昇していく”って書いてあったから!?」
と言ったので、
「90mかあー!そばで見ると、けっこう高いなあ!?」
と一平はうれしそうに言ったのです。
それから二人は、タワーに乗り込んだのです。
徐々にゆっくりと回転しながら上がっていきました。
上のほうに近づくと、真正面にランドマークタワーが見えたのでした。
「”みなとみらい”までけっこうあるんだあー!!?」
「小さく見えるもんなあー!?」
そう一平が言うと、
「”マリンタワー”と、どっちが高いのかしらねえー?!」
「わたしが初めて横浜に来たとき寄ったのが、
中華街と、マリンタワーなのよ!」
と、育子が言いました。
「デートの典型的パターンだよなあ?!」
「マリンタワーの営業は、去年でやめたみたいなんだ!!」
「ニュースでやってた!」
「そのとき高さも言ってたけど!忘れた!!?」
そう笑いながら言った一平でした。
「だけど、惜しいのよねえー!!?」
下に下がって行きだしたときに、
育子がそう言ったのです。
「えっ!なにが??!」
一平がそう言うと、
「マリンタワーもこのタワーも、水平線に沈む夕日が見られないの?!」
(あじゃあー!!!)
そう育子が言うと、
「当たり前さ!東海岸だから!?」
「西海岸じゃあなきゃ!水平線に沈む夕日は、見れないからね!!」
「そんなに見たいんなら、一山越して、
逗子か鎌倉の海岸に行けば見れるけど、行く?!」
と、一平が言ったのです。
「一平ちゃんごめん!。」
「感想を言っただけだから!気にしないで!!?」
と、育子はあわてて言ったのです。
「ならいいけど!?」
と、一平が言うと、
「上がっていくときはゆっくりに感じたけど、
下がりだしたら早く感じたわ!?」
「一平ちゃん!どおー??!」
と訊いたので、
「俺もそう感じたよ!」
「下がりだしたら意外と速いなあー!?」
そう言っているうちに下に着いたのでした。
二人は、シーパラダイスタワーから降りると、
ジェットコースターのあるほうに歩いて行きました。
「育ちゃん!けっこうならんでるなあー!?」
と、一平が言うと、
「でもこのくらいだったら、割と早く、順番が来るわよおー!?」
「早くならびましょう!」
と育子が言うと、
二人で手をつないだまま、
早足で歩いて列の最後尾に並んだのでした。
「これって、サーフコースターって名前なんだあー!?」
と一平が言うと、
育子が一平の耳元で、少し小さな声で言ったのです。
「ねえ!一平ちゃん見てあの子達!?」
「4人で来たのねきっと!!?」
そう言われた一平は、5、6人前にいた、
高校生らしき男女のペア2組を、見たのです。
同じような服装をしていて、
同じように2組とも、手をつないでいました。
一平はそれを見ると、少しひざを曲げ、
育子の耳元で、
「育ちゃん!高校生だね!?きっと!!」
と、少し小さな声で言うと、
「たぶんね!」
と一平のほうを向きうれしそうに言ったのでした。
育子は、つないでた手を離し、
体を斜めにすると、一平の右腕を両腕で抱えたのでした。
「育ちゃんどうしたの?!」
と、一平が訊くと、
「高校生じゃないから!?」
と、嬉しそうに言ったのです。
一平は、育子の目を見て、
「うん!わかってるよ!!?」
と、言ったのです。
一平は、そんな育子がいとおしく感じたのでした。
二人の後ろに並んでる人が、
「すいません!前につめてください?!!」
と言ったのです。
その声を聞いて、二人は同時に、
「すいません!」
と言い、前の列に早足でつめたのでした。