携帯によろしく 第一章(8)

アクアミュージアムの中を、
ひととおり見た一平と育子は、出口の近くで話したのでした。

「これから、どうしようかあー??!」
「乗り物に乗れるけど!」
「どれに乗りたい?!」
と、訊かれた育子は、
「前に来たとき、ジェットコースターに乗らなかったから、
きょうは乗ってみたいけど!」
「一平ちゃんは、どお?!」
と言ったのです。

「やっぱり、乗り物と言ったら、ジェットコースターだよな!」
「ここのは、海に突き出てるから、迫力あるって、
聞いたことがあるから、乗りたいな!?」
と一平は、うれしそうに言いました。
「この中はひととおり見たと思うけど!」
「見忘れたものはないかな?!」
そう言うと、パンフレットを見たのでした。

「あれ?5階に”アクアシアター”っていうのがあるけど!?」
「これ見てないよねえー?!」
と、育子に言うと、
「一平ちゃん!これ別料金がいるの!?」
「また今度来た時に入ればいいわよ!」
「5階だしー!?」
と答えたので、
「そうだな!今度来た時に入ればいいかあ!?」
と一平も言ったのですが、
「育ちゃん!こんど来た時って、
またデートしてくれるの?!」
と育子に訊くと、
「うん!でももしー、一平ちゃんがいやならしょうがないけど!?」
と、言ったのです。

「俺はまた、デートに誘おうと思ってたんだ!!」
「でも、次のデートは、違うとこにしようよ!」
「育ちゃん、旅行雑誌の会社に勤めてるし!?」
「次のデート場所も任せるよ!!」
と、一平が言うと、
「一平ちゃんは、どこか行きたい場所はないの?!」
と訊いたのですが、
「育ちゃんといれば楽しいいし!」
「どこでもいいんだよ!場所は!!?」
そううれしそうに答えた、一平でした。

育子は、少し顔を赤らめて、
「きょうは、お金をだいぶ使わせちゃってるから!?」
「次のデートは、お金をあまり使わないとこにするわね!!」
と言うと、一平は、
「毎週このぐらい使うと、苦しいけど!!」
「1ヶ月に1度ぐらいだったらこのぐらいの金額ならいいよ!」
と、言ったのでした。

「ココを出てどういうふうに歩いていけばいいのかなあ?!」
そう言って一平は、八景島の地図を見たのです。
「来るときにそういえば、いろいろな乗り物があったよね!」
「でも入り口に近いほうだったから、
そっちはあとまわしにして!?」
「えーとおー?この近くで乗り物は?!」
「すぐ隣にアクアライドっていう乗り物があるよ!」
と言うと、
「どれえー?!」と言って育子が、
地図を覗いたのでした。

「これだめよ!水しぶきがかかるって、書いてあるもん!!?」
「これがいい!どう一平ちゃん?!」
と育子が指でさして言ったのです。すると、
「この船は、1周まわるんじゃあないんだね!」
「メリーゴーランドの近くの桟橋に着くんだ!!」
「時間的に、出発時間に間に合うかわからないけど!?」
「とにかく行ってみよう!!?」
と、一平は言うと、育子の手を握って、
アクアミュージアムを出ると、
二人で船の出る桟橋まで出かけたのです。

ぎりぎりのところで、出発時間に間に合ったのでした。(ホントかな?!)
二人は船に乗り込むと、2階に上がり、まだ少し風は冷たかったのですが、
二人にはその冷たさは感じませんでした。
海も穏やかで波もなく、
夕日が水平線の近くまで来ていました。
一平は育子の肩を抱き寄せ、二人で夕日を眺めながら、
短い船旅をしたのです。
(船のふたり。けっこう、創っちゃいました!!)

メリーゴーランドの近くの桟橋に着くと、
二人は、手をつなぎながら歩いて、
周遊しているバスの乗り場に行き、
バスに乗り、タワーの前で降りたのでした。
「これ!。シーパラダイスタワーっていうんだあー!?」
「かなりの人数が、乗れるみたいだよ!」
一平がそう言うと・・・






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