携帯によろしく 第一章(4)

席に近づくと、女性は立ち上がりました。
「初めまして!山本一平さんでしょ!?」
と言われた一平は、
「そうだけど!君が間違い電話の女性??!」
と訊くと、
「そう!がっかりした?!」
と笑いながら言ったので、
「ぜんぜん!」と手を横に動かすと、
「とにかく座ろう!?」と、言ったのです。
一平は、周りの視線をすごく感じたので、
そう言ったのでした。

「さっき電話でも言ったけど!
わたし、来ないと思ってた!!」
と、間違い電話の女性は言ったので、
「俺。暇だったから!?」
「君!だいぶ待った??!」
と言うと、
「ぜんぜん!」と答えたのでした。

「何か飲む?!」と一平が訊くと、
「おごってくれるの??!」と、言うので、
「うん!このぐらいならいいよ!?」
と、言ってしまった一平でした。
「じゃあ!ピザトースト頼んでもいい?!」
と言うので、
「いいけど!飲み物は??!」と一平が訊くと、
「ちょっと待って!」と言い、
メニューを見ながら、
「ところで!一平ちゃんいくつ??!」
と訊いてきたので、
「俺は、28歳独身!!」
と、答えたのでした。

すると彼女は、「28才!!??」と言うと、
メニューを開いたままテーブルの上に置き、
「ホント?!でも28才には見えないわよ!」
と言ったので一平は、
「いくつに見える?!」と訊くと、
「うーん!?27才ぐらいかな?!」
と、彼女は、笑いながら答えたのです。

「1歳だけ若く見られたのかよー!!?」と言うと、
「うっそぉ!25ぐらいかと思った!!」
「わたしより下かなって、思ったわ!?」
と、うれしそうに言ったのです。

「じゃあ!?君はいくつ??!」と一平が訊くと、
「わたしいくつに見える?!」
と言ったので、
「うーん!25で下ということは、26??!」
と言うと、
「そう!もう26になっちゃったの!!?」
と、言ったのです。

「女子大生かと思ったよ!
話し方が、社会人の話し方じゃあないから?!」
と、一平が言うと、
「じゃあ!ほんとうは、22歳ぐらいと思った?!」
と訊くので、
「いや?!ハタチぐらいかと思ったよ!」
と笑って答えると、
「よくそんなこと言うわねー!?」
と笑って言ったのでした。

二人が笑っていると、
ウエートレスが水が入ったコップを持ってきて、
二人の前に置くと、
「ご注文はお決まりでしょうか?!」
と訊いてきたので、
「一平ちゃん!飲み物はなんにする?!」
と、彼女が言うので、
「俺はホットでいいよ!」と言うと、
「じゃあ!?ホット2つに、ピザトースト1つ!」
「お願いします!」と、彼女が言ったのです。

ウエートレスは注文を聞くと、とっとと、さがったのでした。
「ちょこっと、訊いていい?!」
と一平が言うと、
「ちょこっと?!なにそれ??!」
と彼女が言ったので、
「”ちょっと”より、もっと短めのこと!たぶん??!」
と一平が答えると、
「へぇー!?」と言ってから、
「まあいいや!なに?!」と言ったので、
「ヨーコっていう子に電話しなかったの?!」
と一平が訊いたのです。

「電話したのよ!ねぇー!?」
「だけどいなかったの!留守電に、メッセージ入れといたわ!?」
と言ったので、
「メールじゃあないんだ?!」と訊くと、
「あの子少しおっとりしてて、メールが嫌いなの!」
「メールのが安いのにね!」
「わたしも、どちらかっていえば、電話のほうがいいわ!」
と答えたのでした。そして一平は、
「ところで君の名前?!」
「まだ聞いてないけど??!」






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