ブログ小説 雀 鍵 第二章(8)
「ヒットシンやらないのかー?!」
と雀鍵が言うと、
「あした朝出かけなきゃーならないので!?」
「きょうはこれで帰りますよー!??」
「あーよかった!!?」
「九蓮宝燈見れて!!?」
とうれしそうにヒットシンは言ったのです。
「ビリ抜けだなっ!!?」
とパゲルが言うと、
「久しぶりに役マン振り込んだけど!!?」
「まさかそれが九連(ちゅうれん)とはねー!??」
「しかも親だなんてさー!??」
と少しうれしそうに言ったノンでした。
各自が点数を言い、ヒットシンが点数表に記入すると、
ヒットシンとノンは、下へ降りて行ったのでした。
すぐにミソヤが階段を上がって部屋に来たのです。
「なんだよー!?途中、でかい声がしたと思ったら!?」
「九連上がったヤツがいるんだってー!!??」
と、まだ顔が赤いミソヤが言ったのでした。
「少しは酔いがさめたかあー??!」
と雀鍵が言うと、
「もうすっかり醒(さ)めてらー!!?」
とミソヤが言ったのです。
「ミソヤー!?」
「味噌でも舐めたほうがシャキッとするんじゃーねーのかー!??」
とマスターが言うと、
「売りもんに、手は出せねーんだよー!!?」
と言ったのです。
「そういえば!?」
「うちのお袋が味噌置いてけって言ってたぞー!!?」
と雀鍵が言うと、
「うん!さっき下で買ってもらったからさー!!?」
「卸値(おろしね)で売ってんのに!?もっとまけろってさー!!?」
「無理言うんだよー!??」
と笑いながらミソヤが言ったのでした。
「俺の場所はどこだー??!」
とミソヤが言うと、
みんなで一斉にノンが座っていたところを、指さしたのです。
「こんな役マン振り込んだところでやれるかー!??」
「場所換え!場所換え!!?」
とミソヤが言ったのでした。
ミソヤは、字牌の東・南・西・北を持ってくると、
牌を伏せて、手のひらで転がし混ぜたのです。
「東取ったヤツが好きな場所に行くー!?」
「雀鍵トップだから一番最初に引いて!!?」
と勝手にそう決めて言ったのでした。
「まあいいやー!?好きなようにしろー!??」
と言って、雀鍵は牌を持ってくると、
「東だ!!?ここでいい!!?」
と言ったのでした。
次に2位のパゲルが南を引いたのです。
その次に北をマスターが引いたのでした。
「なんだよー!??最低の場所だー!??」
とマスターは言うと、ミソヤと席を入れ替わったのです。
「俺が仮親(かりおや)だから」
と雀鍵が言い、サイコロのスイッチを押したのでした。
”7”が出たのです。すぐに対面のミソヤが、
「じゃー!?俺が仮東(かりとん)なあー!?」
と言ってサイコロのスイッチを押すと、
”9”が出たのでした。
「俺がタチかー!?」とミソヤは言うと、
起家(ちいちゃ)マークを持って来て、
表示を”東”にして、自分の右隅に置いたのでした。
それからサイコロのスイッチを押し、3回戦目が始まったのです。
各自が配牌を4個づつ3回持って来ると、ミソヤが、
「あー!?チョンチョン!!?」
と言って、牌を二個持って来たのでした。
ほかの三人が1個づつ牌を持って行くと、
「さてどれから切るかなー!??」
「つえーヤツの風から切るかあー!??」
とミソヤは言い、西を切ってきたのでした。
「挑戦的なヤツだなー!?」
と雀鍵が言うと、
「俺もー!!?」
と言ってマスターも、西を切ったのでした。
雀鍵が牌を捨て、パゲルも牌を捨てると、
「次は白(しろ)でも切るかー!??」
とミソヤが言って切ると、
「じゃー!?俺もー!??」
と言ってマスターも、白を切ったのです。
すぐに雀鍵が牌を捨て、パゲルも牌を捨てると、
「次は撥にしよーっと!!?」
とミソヤが言って切ると、
「じゃー!?俺もー!??」
と言ってマスターも、撥を切ったのです。
「なんだよー!?」
「俺と同じ牌切るなよー!??」
とミソヤが言うと、
「ちょうど俺もいらないんだよー!??」
とマスターが言ったのでした。
そして、
「これは切らないだろー!??」
と言ってミソヤが一筒を切ると、
「あるんだよー!!?」
と言って、すぐにマスターも一筒を切ったのでした。
1巡後、
「これはどうだー!!?」
と言ってミソヤが八筒を切ると、
「くそー!?ねえーやー!??」
「近くの九筒!!?」
と言って、マスターが笑いながら九筒を切ったのでした。
「遊んでんなよー!??」
と笑いながら雀鍵が言い、牌を捨てると、
「そういえば、東だけ出てないなー??!」
とパゲルが言って、ミソヤの顔を覗き込んだのでした。
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