ブログ小説 雀 鍵 第二章(7)
雀鍵が持ってきた牌はなんと一萬だったのです。
「こんなのふつう来るかあー??!」
と言って、ヒットシンに牌を見せたのでした。
「へー!?そんなの持ってきますかねー!??」
「でもかえっていいかもしれないですよー!??」
とヒットシンは言ったのです。
「とりあえず撥を切っとくかー!??」
と、とぼけて言った雀鍵でした。
「ごちゃごちゃ言ってないで!?」
「早く切ろよー!!?」
とパゲルが言ったのです。
パゲルは気合を入れて牌を持ってくると、
「あぶねーなあー!?」
と言って、五萬をツモ切ったのでした。
「なんだテンパイかー!??」
と雀鍵が言うと、
「うるさいなー!??」
とパゲルが言ったのです。
「わー!?テンパイかー!??」
「つえーわけだー!!?」
「こっちの萬子も切りたいけど!??」
「まーとりあえず、通った五萬を俺も切っとくかー!??」
と言って、持ってきた牌と入れ替えて、
マスターは手牌から五萬を出し、それを切ったのでした。
「なんだよー!?」
「パゲルは筒子の混一色でテンパイで!!?」
「雀鍵は、萬子の清一色かあー!??」
「テンパってるのかなあー?!」
「まだ一向聴(いいしゃんてん)なのかなあー??!」
と言って牌を持って来たノンでした。
「ちょっと待ってー!??」
とノンは言うと、
「一応、スジだけど!??」
と言って、二萬を切ったのでした。
「それしか当たれないんだー!!?」
と雀鍵が言うと、
「えっ!?やっちゃったかー!??」
とノンが言ったのです。
雀鍵はおもむろに、一萬・三萬・四萬・五萬・六萬・七萬・八萬・九萬
の牌を先に倒したのでした。
それを見たノンは、
「一通も付くのかあー!??」
と言うと雀鍵が、
「だけじゃー!?ないんだあー!!??」
と、ノンの顔を見て言ったのです。
ノンはすぐわかったらしく、
「うそだろー!!??」
「わあー!!?」
と言ったのです。すると、
「よかったー!次、二萬を捨てる予定でいたんだあー!??」
とうれしそうに、マスターが言ったのでした。
雀鍵は左手で3枚の一萬を倒し、
右手で2枚の九萬を倒したのでした。
すると後ろで見ていたヒットシンが、
「親の萬子の九蓮宝燈(ちゅうれんぽうとう)!!初めて見ましたよー!!?」
「きれいだなー!!??」
と、うれしそうに言ったのでした。
「とりあえず2万8千、借りー!?」
とノンは言うと、
1万点棒と五千点棒2本を雀鍵に渡したのでした。
次は雀鍵の親で、1本場でしたが、
ノンが門断(めんたん)ドラドラをツモったのです。
親・4千・子・2千点の満貫でした。
ノンは雀鍵に8千点返したのです。
「これで借りは2万!!」
と言ったのでした。
次にパゲルの親になりましたが、
雀鍵が6巡目でリーチをかけ、
8巡目でツモり上がったのでした。
「3門張(さんめんちゃん)だったっからなあー!??」
「一回まわせなかったあー!??」
「2千・千!!(親・2千点・子・千点)」
と、残念そうに言ったのでした。
南ラス、(通常オーラス)
は、マスターの親でしたが、
パゲルが7巡目にリーチにいき、
10巡目でツモ上がりしたのでした。
「13・26(いちさんにいろく)」
と言ったのです。
そしてこの半荘(はんちゃん)は、終わったのでした。
* 半荘・・・四人が各自、親を2回づつやる場のこと。
東南戦・東東戦が通常多いようです。
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