ブログ小説 雀 鍵 第一章(10)
トイレから出てきたミソヤが、食堂に寄ったのです。
「北入で今のところ俺がトップだ!!?」
と言って入ってくると、
「バカだなあー!??」
「何で今トップなんだよー!?」
「トップで北入したヤツは、トップ取れないぞー!!??」
と雀鍵が言ったのでした。
「うそっ!??」
「まあー!?ジンクスなんて俺には関係ないけどなっ!」
とミソヤが言うと、
二階で親のマツヤが、
「早くしろよー!!?」
と大きな声で言ったのです。
「じゃあートップとって来るからよー!?」
とミソヤが言うと、
「まあー!?がんばって来いよ!?」
と雀鍵が言ったのでした。
「おう!!?」
とミソヤは言うと、二階に上がって行ったのです。
そしてミソヤが席につくと、
ほんとのオーラス、北場の一局が始まったのでした。
「これがほんとに最後の場だからなあー!?」
「親で上がんなくちゃ!?」
とマツヤが言うと、
「けたぐってやるー!!?」
とマスターが言ったのです。
「今ちょっとビールを飲んできたからなあー!?」
「酔拳で上がってやるからなあー!??」
とマスターが言うと、
「最後に、百点でも一番多く点棒があればトップだよなあー!?」
とミソヤが言ったのでした。
「うん!!?」
「一応北場のトップは、そういう取り決めだから!?」
「南場の四局でこの取り決めにしているところが多いけど!!?」
「ここは、西場も北場もありだから!?」
と、ヒットシンが言ったのです。
「だけどよー!?」
「北場なんて久しぶりだなあー!??」
とパゲルが言うと、
「ほんとだなあー!?」
「みんなせこい麻雀を打ってるからだよー!??」
と、笑いながらヒットシンが言ったのでした。
「うるせーなあー!??」
「どうやって上がろうと勝手だろ!!?」
とマツヤがニコニコして言ったのです。
するとその様子を見たマスターが、
南をポンしたのでした。
「北場だぞー!??」
とミソヤが言うと、
「俺の風は北と南なんだよー!?」
「一翻(いいはん・一役)だから問題ないだろー!?」
とマスターが言うと、
「もー!けたぐりかあー!??」
「コイツー!!?」
とマツヤが言ったのでした。
マツヤが二巡ツモ切りすると、
「ちぇっ!?ツモが悪くなった!!?」
「くそー!??」
と言ったのです。それから三巡目に、
「よしよし、酔拳成功!!?」
とマスターがうれしそうに言って、
老頭牌(ろうとうパイ・ろーとーパイ)の一萬を暗刻にしていたので、
「ミソヤ!千3百だ!!?」
と言ったのでした。
「なんだよー!?もう上がりかー?!」
とマツヤが悔しそうに言ったのです。
「しょうがねえーなあー!?」
と言うと、
ミソヤは千3百点、マスターに点棒を渡したのでした。
次は上がったマスターが親です。
一番最初に西を切ると、
「ポン!!」
「全力でつぶすぞー!!?」
と対面のパゲルがニコニコしながら言ったのです。
「なんだよー!?もう役をつけたのかー!?」
とマスターが言ったのです。
それから五巡目にミソヤがパイを切ると、
「ロン!西ドラ一(しゃーどらいち)」
「払ってミソ!?」
と、パゲルがうれしそうに言ったのでした。
「なんだよー!?」
「もう当たりかあー!?」
「はえーなあー!??」
と言ってミソヤは、パゲルに2千点払ったのです。
「なんだあー!?」
「ミソヤ連続振込み(れんぞくふりこみ)かあー!??」
とマツヤが言ったのでした。
「今度は親だから上がらなくちゃなあー!?」
とミソヤが言ったのです。
「上がることより、振り込むなよー!?」
とマツヤが言うと、
「うるせーなあー!??」
「もう親がないくせによー!?」
と言って、ミソヤはサイコロのスイッチを押したのでした。
六巡目にマツヤがリーチをかけたのです。
それから五巡後に、ツモったのでした。
「ちぇっ!?裏ドラのらねえや!?」
「5・10(ごっとー)」
「三門張(三面チャン・さんめんちゃん)だったからなあー!??」
「普通ならもっと早く上がってもいいけど!??」
とマツヤが言ったのです。
そして北場の四局を迎えたのでした。
ほんとの最後のオーラスが来たのです。
(別ウインドウで表示しています。たぶん)