ケッタイ小説 ふたりの会話(8)

ふだん海岸近くに暮らしているウミネコさんと
ふだん3食昼寝つきを決め込んでいる猫さんが道で出合ったのでした。

「これはこれはウミネコさん、お久しぶりです!。」

「いやあー!?珍しい方にお会いしました!?。」
「お久しぶりです。猫さん!?」
「こちらこそ、ご無沙汰しています!。」
「お元気ですか?!。」

「はいー!?なんとかやっています!。」

「いいですねえー!?猫さんは!??」

「何がでしょう??!」

「家に帰っても、食事の心配しなくてもいいですからねえー!?」
「わたしなんか、食べるために生きてるようなもんですよー!??」

「まあー!?そのてんは楽させてもらっています!。」

「でもウミネコさんのように新鮮な魚はここ何ヶ月も食べていませんよー!!?」
「取れたての生は、おいしいですからねえー!!??」
「生魚ではなく、生肉でもいいんですが・・・!?」
「お値段のほうが高いんでね、そこまでは言えませんよ!?。」
「実質は居そうろうですから!?。」

「でも最近は、わたしの近所の仲間でも!?」
「猫をただ”かわいい”から飼えばいいっていう人間や!?」
「繁殖させて売るのが目的の人間が増えて、困っています!。」
「基本的知識を持たない家主がいるんですよー!!?」

「あなたに対して注意する点とはいったいなんでしょう??!。」

「特に家に小さい子供がいる家庭で、多くの問題が起きるんです!?。」

「へえー!??小さい子がいる家庭ですかあー??!」
「それはどういうことでしょう??!」

「小さい子が好きなチョコレートこれが問題なんですー!?」
「小さい子が猫に食べさせちゃうんです!!?」

「えっ!!?チョコレートだめなんですか??!」

「猫に消化できない物質が含まれてるからなんです!!?」
「だから大量に与えたり、長期に与えると!?」
「腎臓や肝臓に障害が出てくるんです!!?。」

「それは大変です!!?。」
「まだあるんですか??」

「ええー!!?」

「これは知ってる方が多いと思いますが?!」
「牛乳を飲ませると下痢(げり)をします!。」

「そういえばむかしそんな役者さんがいましたねえー!!??」

「ゲーリー・クーパーのことですか??!」

「そうです、そうです!。そのゲーリーちゃんです!!?。」

「エヘン!」と言って、咳払い(せきばらい)をした猫さんは、
「先に進んでもいいですか??!」

「あっ、すいません!。話の途中で!!??」
「どうぞ、どうぞ!?」

「ネギや、玉ねぎといったユリ科の植物!!。」
「これが一番の困りものです!。」
「誤って食べてしまった場合、死亡することもあるんです!!。」
「加熱しても毒性が消えないため!?」
「味噌汁や、スープなどに溶け込んでいて!」
「それを飲んでも中毒を起こすそうです!!。」

「それは大変ですねえー!!?」
「味噌汁やスープなどに溶け込んでる場合、目に見えないんですからー!?」
「家の者が気をつけてくれないと困りますね!!?。」

「そうです!。その通りですよ!!。」」

「ところで!話は変わりますが!??」
「ウミネコさん!?」

「なんでしょうか??!。」

「うわさで聞いたんですが?!」
「ウミネコさんは、天然記念物に指定されてるそうですが?」
「ほんとうですか??!」

「ときどき、間違って言われるんですよー!??」
「わたし自身は、天然記念物ではありません!!。」
「青森県の蕪島(かぶしま)が、繁殖地として!」
「天然記念物に指定されているんですよー!。」
「あくまで、繁殖地としてですよ!!。」

「そうなんですかあー!?」
「ところで!!。」
「ウミネコさんはカモメさんと似ていますが!?」
「どうすれば見分けられるんでしょうかあー!??」

「”ユリカモメ”ご存知ですか?」

「”ゆりかもめ”ですか!?」
「知ってますよー知ってますよー!!?」
「東京の新橋駅から乗り換えて乗る!。」
「たまに故障する!??。」(余計なこと書くな!!)
「コンピュータ制御の新交通システムっていうのでしょう!?」
「新橋からお台場を通り豊洲まで行く無人運転の!あれでしょ!!?。」

「まあー!??。言うと思いましたけど!!?」
「まったく違います!!?。」
「鳥ですよ!鳥のほう!!。」
「ユリカモメの若鳥は似てるんですが、くちばしが赤です!。」

「見分け方は簡単です!。」
「成鳥で尾に黒い帯があるのがウミネコです!!。」

「そうですかあー!?勉強になりました!!。」
「こちらこそ勉強になりました!!。」

そしてウミネコさんと猫さんは、おじぎをすると、
ニコニコしながらその場から、
お互い違う方角に、歩いて行ったのでした。

もしもこのふたりが会話したらの物語です。
会話の中に真実が見え隠れしています。
一話完結で、全九話です。
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