ケッタイ小説 ふたりの会話(7)

ギターさんとドラムさんが道で出会ったのでした。

「こんにちは!ドラムさん。」
「いつもお世話になっています!。」

「いいえー!?こちらこそギターさんには、お世話になっています!。」
「お元気で何よりです!」

「お互い年を取りましたねえー!?」

「ええ、確かに!?」
「もう息子さんの代(だい)の電気を使うギターが全盛ですねー!?」

「そちらこそ息子さんの電子音源をを使ったものが全盛でしょう!?」

「そうなんですよ!」
「今は隣近所(となりきんじょ)で、騒音公害などといわれますから!?」
「自宅では練習できないんですよー!?」
「それでどうしても、電子音源を使ったものが使われて!?」
「それにわたしの場合は、ギターさんと違って!?」
「場所をとりますから?!!。」

「移動するにも一苦労です!」

「バスドラムなんかけっこう大きいですからねえー!!?」
「それは、大変でしょう!!?」

「でもドラムセットが設置されてれば」
「スティックだけ持ってけば演奏できますから!?」
「ただ演奏だけだったらですけど!!??」
「というものの、お互い慣れたものがやっぱり一番ですからねー!!?」

「そうです!使い慣れたものが一番です!!?」
「まだまだ、息子たちには負けませんよねえー!?」

「そうです!その意気ですよ!!?。」

「ギターさんには親戚が多いですねえー?!?」
「変わった方も現れているそうですねえー!??」

「ギターのくせに、弦がないヤツでしょ!?」
「異端児(いたんじ)ですよ!!?。」

「そうですか?!そんなギターがいたんじ!!?」
「すいませーん!くだらないシャレを言いまして!?」

「いいえー!?慣れてますから!?」
「弦がないギターなんて、げんない(ゲンナリのダジャレ)ですよ!!?」

「むっ??!」
「わっはっはっはっはー!??」

シャレを言って受けなかったギターさんは、
笑ってごまかしたのでした。

「ところでうわさで聞いたんですが?!。」
「こんなこと訊いていいのかなあー??!。」

「なんですか?ドラムさん!??」
「遠慮なんかしないで聞いて下さい!??。」

「小さな会場の生演奏でもギターさんは」
「マイクを使っているってほんとうですか??!。」
「わたしには考えられませんけどー!!??」
「本当の意味での、生演奏にはならないんじゃあー??!!」
「すいません!?えらそうなこと言ってしまって!??」

「いいえー!?いいんですよー!??」
「実際ホントのことですからねえー!??」
「5人10人ぐらい相手なら問題ありませんが!?」
「50人60人と聞き手が多くなってくると!?」
「どうしてもマイクを使うんですよー!?。」

「弦楽器といっても、チェロやバイオリンとの違いですかねえー!??」
「指で弦をはじくので、どうしてもそうなるんです!?」
「音の伝わる距離に、弦だけに、げんかいがあるんです!!?」
「致し方ないことです!?」
「申し訳ございません!!?。」

「いいえーとんでもない!?。謝らなくてもいいんですよー!!?」
「オーケストラができたのも、たくさんの人に聞いてもらうためにですし。」
「音量の小さい楽器はその数を、多く集めたからですから!?」

「ところでドラムさんのところは親戚が少ないんですねー!??」
「ええ!?遠い親戚にはティンパニーとかいるんですが!??」
「しょうじき、これといったのはいないですねー!?」
「まあ!?しいて言えば電子音源を使った。」
「わたしのドラムスコぐらいでしょうか?!。」

「むっ??!」
「わっはっはっはっはー!??」

くだらないシャレを言ったドラムさんは、
笑ってごまかしたのでした。

そしてギターさんとドラムさんは、おじぎをすると、
ニコニコしながらその場から、
お互い違う方角に、歩いて行ったのでした。

もしもこのふたりが会話したらの物語です。
会話の中に真実が見え隠れしています。
一話完結で、全九話です。
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