ケッタイ小説 ふたりの会話(6)

小さな亀さんとナメクジさんが道で出会ったのでした。

「いやあー!?亀さん!お久しぶりです。」

「これはどうも、お久しぶりですねえー!?」
「ナメクジさん!?お元気ですか?」

「はい、なんとか暮らしています!。」

「ナメクジさん相変わらず足が遅いですねえー!?」

「えっ??!まさかあなたにそんなこと言われるとは、思いませんでした!。」
「カタツムリに言うのならともかく!!?」
「まあー!?それは、冗談ですけど!!?。」

「話は変わりますが?!。」
「亀さんは長生きなんですねえー!??」
「知りませんでした!。」
「どのくらい長生きするんですか?!。」
「人間は、ツルは千年。亀は万年。って言っているそうですけど??!。」

「そうなんです!?。」
「かってにそんなこと言って!!?」
「わたしの遠い親戚の亀でも、長生きするって言っても!??」
「100年とか150年とかいう話は聞きますけど!??」
「万年なんか長生きしませんよ!!。」
「何年の話だけにイヤー(YEAR)まいりました!!?。」

「ほほー!?シャレですか?!。」
「ところで、お互い足が遅いので!?」
「人間どもに”いじめ”られてしまいますねえー!?」
「亀さんは甲羅があるからまだいいですけど!!?。」
「わたしなんか、大変です!!?。」

「そうでした。そうでした!。」
「ナメクジさんは、昼間は隠れていて、夜行動するんでしたね!?」
「夜は暗いから大変でしょう!?」

「まあー、なんとかがんばっていますけど!?」
「塩をかけられたらひとたまりもありません!!。」
「シオだけにしおーがない!なんちゃって!!?」

そうシャレを言って、笑ってごまかすナメクジさんでした。

「ところでうわさで聞いたんですが?!。」
「こんなこと訊(き)いていいのかなあー??!。」

「なんですか??」
「遠慮しないで聞いてください!!?。」

「そうですか?!。」
「ではお言葉に甘えて!?」
「ナメクジさんには、女性も男性もいないっていうんですが??!」
「そんなことはないですよねえ??!。」

「合っているって言えば、いるし!?」
「合ってないって言えば、そうともいえるんですよー!!??」

「ええー??!」
「ど、どういうことなんですかー??!。」

「わたしたちの仲間は、雌雄同体(しゆうどうたい)なんです!!。」

「雌雄同体??!」
「それってどういうことなんですかあー??!」

「普通は雄と雌が出合って交尾するんですが!?」
「わたしたち仲間は、1匹と1匹が出合って交尾するんです!!?。」

「えっ?!どういうことですか??!」

「普通は、雌だけが卵や子供を生みますよねえー?!」

「ええ、そうですね!。」

「ところが、違うんですよー!?」
「わたしたち場合は!?」
「出合った2匹とも卵を産めるんです!!。」

「へーえ!!?そんなことが現実にできるんですか??!。」
「ええ!できるんです!!。」
「それが、雌雄同体ということなんですよー!!?」

「じゃあー!?あのうわさは、まるっきり間違えじゃあーないんですね!?」
「でも、正確ではないってことですね!!?。」

「はい、その通りです!!。」

「いやあー!?ほんとのことを教えてもらい、ありがとうございました。」
「勉強になりました!。」

「いいえ!?こちらこそ勉強になりました!。」

そして小さな亀さんとナメクジさんは、おじぎをすると、
ニコニコしながらその場から、
お互い違う方角に、歩いて行ったのでした。

もしもこのふたりが会話したらの物語です。
会話の中に真実が見え隠れしています。
一話完結で、全九話です。
「この続きを読んでやってもいいよ!」
と思っている方は、次へ をクリックしてくださいね。







▲Top