ドライブは誰といっしょに(^◇^) 第一話(9)

御殿場インターの直ぐ手前、左側に、
御殿場プレミアムアウトレットが見えたのです。
「ここは昔、小田急ファミリーランドだったんだって、
親父が言ってたよ!。」
と、周が言ったのです。

「ファミリーランドって?!。」
と、慶子が訊くと、
「遊園地だよ!。」
そう周が答えたのでした。
それを過ぎると、直ぐにインターでした。

「ホントだ!。」「すぐに着いちゃった!。」
と瑞樹が言うと、
「なっ!。」と、嬉しそうに良太は、言ったのでした。
そして料金所を出ると、138号線に入ったのです。
しばらく行くと、左に池が見えました。

「左にため池見たいのがあるよ!。」
と、慶子が言ったのです。
「ばーか!。池じゃなくてナビだと東山湖(ひがしやまこ)って書いてあるぞ!。」
「湖だ!。」
「でも、ちいせえなあ?!。」
と、良太が言ったのでした。

「東山湖っていう名前の池だよきっと!。」
と、瑞樹が言うと、
「そんな何々湖っていう名前の池なんか聞いた事ないよ!。」
と、周が言ったのです。

「こんな小さくて、湖って名乗って、いいのかよおー?!。」
「周!。どうなんだ?!。」
と良太が訊くと、
「何を基準に、湖と池を分けてるのか知らないけど、
大きさだけを見ると、上野の不忍池(しのばずのいけ)のほうが大きいよ!。」
「やっぱり変だよなあー?!。」
と、周が答えたのでした。

そしてすぐに、
「おーい!。右は、秩父宮公園だってよー?!。」
と、良太が言ったのです。
すると、みんな一斉に右を見ましたが、直ぐに通り過ぎたのでした。
「ふつうの公園じゃん!。」
と、瑞樹が言ったのです。
「だよな!。」と、良太も言ったのでした。

「この先、右に曲がると、芦ノ湖スカイラインだってさ!。」
と、ナビを見て、良太が言ったのです。
「スカイラインって、なんかすごーく、景色がよさそうな名前だね!?。」
と、瑞樹が言いました。すると、
「伊豆スカイラインって通ったけど、たいしたことなかったよ!。」
と、周が言ったのです。

「時期によるんじゃあないの?!。」
「よく、写真なんか、いちばんきれいな時のを、載せてるじゃん!。」
「違う時期に行くと、ぜんぜんよくないっての!。よくあるよー!。」
そう、慶子が言ったのでした。

しばらく、曲がりくねった登り坂を走ると、
「もう直ぐ!。トンネルだぞー!。」
「瑞樹と慶子にぴったりのトンネルだあー!。」
と、ニコニコしながら、良太が言ったのです。
「ええっ!?。なんていうトンネル?!。」
と、瑞樹が訊くと、
「乙女トンネル!。」
と、良太が言ったのでした。

「ええー?!。おとめトンネルー?!。」
「なんかさー!。古臭くない?!。」
と、慶子が言ったのです。
「きっと!。昔話から取ったんだよう!?。」
「慶子が言うように、昔っぽいもん!。」
と、瑞樹が言ったのでした。
そんな話をしていると、トンネルに入ったのです。
乙女トンネルは、それほど長いトンネルではありませんでした。

トンネルを抜けると、そこは、仙石原(せんごくはら)と呼ばれている地名でした。
道なりにしばらく行くと、仙石原の交差点を右に曲ったのです。
仙石原中学校の前を通り、芦ノ湖に向って下って行きました。
ロープウェイの桃源台(とうげんだい)の駅に着いたのです。

「ここからロープウェイに乗って、
大涌谷に行こうと思うけど、どうする?!。」
と、瑞樹が言ったのです。
「だってさあー!。もう瑞樹は決めてるんじゃん!。」
と慶子が言うと、
「そうだよ!。だから行くしかないだろうー!。」
と、周が言ったのでした。

「まあ!。それはそうだけどね!。」
と、笑いながら瑞樹は言ったのです。
「大涌谷(おおわくだに)って、行ったことないから、行きたかったんだあー!。」
「慶子も行ったことないって、言ったから!。」
「周は行ったことあるけど、ロープウェイ乗ったことないから!。」
と、瑞樹が言ったのでした。






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