僕らは探検隊 V (9)

「ユキちゃん!。誰と話してたんだあー?!。」
少し離れたところにいたヒロヒロちゃんが、
ユキちゃんのところに向かって歩きながら訊きました。
「うん!。犬と散歩に来ていた高校生ぐらいの女の人!。」
そう言うと、
「なんだーあ?!。山芋掘りに来ていた人じゃあないのか?!。」
するとユキちゃんが、
「なんで?!。」と言うと、
「だってさあー!。山芋掘りに来ていた人なら、
山芋がありそうなとこを、教えてもらえるかなって、思ったんだ!。」
そうヒロヒロちゃんが、答えたのでした。

「ヒロヒロちゃん!。教えっこないよ!。」
「川で釣りやっている人に訊いても、よく釣れる場所なんか、
教えてなんかくれないよ!。」
「うなぎは特にそうだよ!。穴ぐらがあるから!。」
そうユキちゃんが言うと、
「そうだなあー?!。」
「教えっこないよなあー?!。」
そう言ってから、座ったのでした。
そして草の上に、寝っころがったのでした。

「ツルなんか見つからないよおー!?。」
そう言うと寝ながら、背伸びをしたのでした。
「ヒロヒロちゃん!。なんかここにいると、気持ちいいね!。」
そうユキちゃんが言うと、
「うん!。気持ちいいー!。眠たくなっちゃうよ!。」
そう言うと、「あああー!!。」と、大きなあくびをしたのです。
つられてユキちゃんも、
「あああー!。」と、大きなあくびをしたのでした。

そよそよと心地よい風が通り過ぎて、
ふたりともそこで、寝てしまったのです。
ユキちゃんは、また顔をを犬になめられて、目を覚ましたのです。
「おおー!。またお前かあー!?。」
「かわいいなあー?!。」そう言って起き上がると、
犬を抱きかかえたのでした。
「お前!。ハナに汗かいてるぞ!。」
そう言うと、犬の鼻の汗をタオルで拭いたのでした。

ユキちゃんの声を聞いて目を覚ましたヒロヒロちゃんが、
「ユキちゃん!。だめだよおー!。」
「犬の鼻の汗を拭いちゃあー!?。」
「鼻の汗は、健康の印なんだからあー!。」
と、大きな声で言ったのです。
「へえー!。知らなかったよ!。」
「犬、飼ったことがないから!。」そう言うと、
「へへへ!。」と言って、笑ってごまかしたのでした。

「ラッキー!。ラッキー!。」と言う声がしました。
「お姉さん!。こっちだよおー!?。」
と、大きな声でユキちゃんが言いました。
「今行くから!?。」
そう、ハイキングコースの方から声がすると、
ユキちゃんのところにやって来ました。
「ありがとう!。」とユキちゃんに言うと、
「ラッキー!。」と犬に向って、言ったのです。

抱きかかえていた、ユキちゃんの腕から、スルリと抜け出すと、
待ち構えていた女の子の腕の中に飛び込んだのでした。
「ラッキー!。迷子になっちゃうから!?。」
と、頭をなでながら言ったのです。
「お姉さん!。ラッキーと頂上まで行って来たの?!。」
そうユキちゃんが訊くと、
「ええ!。でもいま山芋を掘っているのは、君たちだけ見たいね!?。」
そう言ったのです。

「お姉さん!。山芋があるところ知らない?!。」
そうユキちゃんが訊くと、
「わたしは知らないけど!。」
「おじいちゃんならときどき山芋を掘ってくるから、
知ってると思うけど!?。」
そう、答えたのです。
「じゃあ!。しょうがないなあー?!。」
「ヒロヒロちゃん!。どうするー?!。」
と、ユキちゃんが訊くと、
「もうやめようかあー?!。」と、言ったのです。

ふたりは、お姉さんと犬のラッキーといっしょに、
ハイキングコースを下って行ったのです。
ラッキーは、ふたりの足元にまとわりつきながら、
道草もせずに、いっしょに山を降りたのでした。
「君たち!。トマト食べる?!。」
と、お姉さんが訊いたので、ふたりとも、
「うん!。」と、答えたのです。


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