僕らは探検隊 V (10)

「山芋、少ししか取れなかったから!?。」
「代わりにトマトを持ってきなさい!。ねっ!?。」
と、お姉さんが言ったのです。
家はすぐ近くだと言うので、そこまで行ったのです。
けっこう大きな家でした。
「おじいちゃん!。」
「この子達、川向こうから山芋掘りに来たけど、
短いのが1本しか取れなかったから、トマトあげてもいい?!。」
と、玄関先から、うちの中に向かって言ったのです。

「おお!。いいよ!。」
と、家の中から声がしました。
そして、玄関のところに出てきたのです。
「川向こうから来たんだって!?。」
「せっかく来たのに残念だったなあー?!。」
「よーし!。じゃあ俺がよさそうなのをとって来てやるから、
縁側で待ってな!。」
と、言ったのです。
二人は声を揃えて、「ありがとう!。」と、言いました。

縁側の脇に1m四方ほどの洗い場と水道の蛇口があり、
その横にプラスチックの”ざる”が置いてありました。
おじいさんはそのざるを持って、ビニールハウスに入ってしばらくすると、
赤い熟したトマトを持って、
ユキちゃんと、ヒロヒロちゃんのいる、縁側のところまで来たのです。
そして洗い場のところでトマトを洗うと、
「ほれ!。食べなっ!。」と言って、
”ざる”を二人の前にさし出したのです。

縁側に座っていた二人は腰を上げると、
「ありがとう!。」と言って、
”ざる”から赤いトマトを手でつかむと、口にほおばったのです。
歯で噛むと、中から汁が出てきたのでした。
「どうだ!。うまいか?!。」とおじいさんが訊くと、
「うまいよ!。」と、ユキちゃんが言って、
「うまいなあー!。」と、ヒロヒロちゃんも言いました。

お姉さんが、包丁とまな板、それに塩とマヨネーズを持って、
縁側に来たのです。
「おじいちゃん!。もうこの子達に食べさせたの?!。」
「少し待っててくれればいいのに!。」
「相変わらず、せっかちなんだから?!。」
と、お姉さんが言いました。
そして”ざる”からトマトを取り出すと、
まな板に載せ、4つに切リ、ヘタのとこを除いてくれたのでした。

「お塩とマヨネーズを持って来たけど、
どっちでも、好きな方で食べてね!?。」と、言ったのです。
ユキちゃんは最初に塩のビンを持って、
1つのトマトの上で振って、パラパラとかけました。
ヒロヒロちゃんはマヨネーズも持って、
1つのトマトにかけました。

ふたりともうれしそうに、口の中に放り込みました。
「そのままもうまいけど!。塩もうまいなあー!?。」
と、ユキちゃんが言うと、
「マヨネーズもうまいよ!。」と、ヒロヒロちゃんが言いました。

「じゃあ!。今度はユキちゃんがマヨネーズ。なっ!。」
そうヒロヒロちゃんは言うと、マヨネーズをユキちゃんに渡したのです。
ユキちゃんは、塩のビンをヒロヒロちゃんに渡しました。
今度はヒロヒロちゃんが塩をかけて食べて、
ユキちゃんがマヨネーズをかけて食べたのです。

それをうれしそうに見ていたおじいさんが、
「俺も食べるかな!?。」と言ったのです。
「おじいちゃん!。待ってねっ!。」
「今すぐ切るから!。」そう言うと、
すばやく4つに切って、ヘタも取り除いたのです。

「俺は塩にするかぁ!?。」と言うと、
塩のビンを持って、トマトに塩を振り掛けました。
その1コを一口で食べたのです。
「僕たち遠慮しなくてもいいんだよ!?。」
「私も食べよおー!。」と、お姉さんが言いました。
「もういいよー!。」そう言って、ヒロヒロちゃんは、
何もつけずに、切ったトマトを1つ、口に放り込んだのです。
「おれもー!。」と言って、
同じようにユキちゃんも、口に放り込みました。

「ユキちゃん!。もう、帰るかあー?!。」
と、ヒロヒロちゃんが言うと、
「うん!。帰ろおー!。」と、ユキちゃんが言いました。
「ごちそうさん!。」「ごちそうさん!。」
ふたりはそう言って帰ろうとしました。すると、
「ふたりとも、ちょっと待ってぇ!。」と、お姉さんは言うと、
家の中に入りビニール袋を持ってきました。

そしてふたりに、トマトを持たせてくれたのでした。
そしてふたりは、礼を言うと、それを持って、
スタコラさっさと、帰って行ったとさ!。

これで、お。し。ま。い。

*********************************

読んでくださいまして、ありがとうございました。
  僕らは探検隊 V 以外の話 も、
読んでいただければ幸いです。m(_ _)m
ブログ へもお寄りください。(^◇^)/ 

 

*********************************


戻る | ||普通の?物語へ|| |TOPへ|

      ブログ 夢計画実行委員会
       へもどうぞお寄りください。
(別ウインドウで表示します。)
     


|HOME TOPへ |


Copyright © 2007 taazann007, All rights reserved.