僕らは探検隊 V (7)

「わかるわけないじゃん!。」
「誰か必ず!。穴を埋めていかないヤツがいるから、
その近くを掘ればきっと、山芋が見つかるさあー!。」
と、言ったのです。
「そーかあー!?。」
「じゃあそれでいこう!。」(なんと、単純!!。)
と、ユキちゃんは何にも考えずに言ったのです。

「ここから登るから!。」
そう言って、ヒロヒロちゃんは登り始めました。
ユキちゃんはあとについて、登り始めました。
急な斜面なので、
「ユキちゃん大丈夫かあー?!。」
「ここは急だから気をつけてなあー!。」
と、少し下を登ってくるユキちゃんに言いました。すると、
「平気だよおー!。」
「この前登った岩山に比べりゃあー!。」
「ちょろい、ちょろい!。」
と、汗を流しながら言ったのです。

まだ登り口に近いので、長い草や、太い木が生えていました。
「ユキちゃん!。長い草を手で握るときは気をつけてなあー?!。」
「根元ならいいけど!。先のほうを握ると
スパッと切れるから!。」
そう気遣い言うと、
「うん!。わかってる!。」
「前に登ったとき、切ったことがあるから!。」
「気おつけるよおー!!。」
そうユキちゃんは答えたのです。

じつは、ヒロヒロちゃんも以前登ったときに、
長い草で、スパッと切ったことがあったのでした。
このへんの子供たちは、ハイキングコースで山に登るとき以外は、
必ず長いズボンでした。
橋の穴の中は鳩の糞が多いので、きょうは少し暑かったのですが、
ふたりとも、長いズボンにしたのでした。
上は半袖だったので、ヒロヒロちゃんは、
手や腕を、草で切るのを心配したのでした。

まだ登り始めて、10分も経っていないのですが、
「ユキちゃん!。穴があったよ!。」
と、大きな声でヒロヒロちゃんが言ったのです。
「このへんを探せば、ツルが見つかるかもしれないから!?。」
そう言って腰を下ろすと、周りを探し始めたのです。
するとすぐにユキちゃんが登ってきました。

「ヒロヒロちゃん!。ツルって、山芋の?!。」
そう訊くと、
「うん!。ユキちゃん知らないの?!。」
と言うと、
「うん!。葉っぱは、前に来たとき教えてもらったけど!。」
「もう!忘れた!。」と、ほざいたのです。いいえ、言ったのです。

そして穴を見ていたユキちゃんが、
「ヒロヒロちゃん!。これ山芋じゃあーないの?!。」
と、指差して言ったのです。
するとすぐ、ヒロヒロちゃんが穴を見に来て、
「ホントだ!。」
「折れてるけど山芋だ!。」
そう言ったのです。
穴の一番下に岩がありそのすぐ横に山芋があったのです。
岩と、土が少しかぶっていて見にくかったのでした。

「こりゃあー!。きっと、岩のとこで折れちゃったんだぞおー!。」
「よく気がついたなあー?!。」
「まだこの下を掘れば、山芋が出てくるぞおー!!。」
と、うれしそうにヒロヒロちゃんは言ったのです。
「じゃあ!。掘ろう、掘ろう!。」
そうユキちゃんが言うと、
ふたりは、慎重にその周りから、掘っていったのです。

「ヒロヒロちゃん!。けっこう、太いよ!。」
直径が5センチほどあったのです。
折れたところから、
30センチ以上掘ったのですが、まだ下に伸びていたのです。
60センチほどのところにくると、急に細くなったのです。
「ユキちゃん!。もうよそう!。」
「これだけあれば、じゅうぶんだよ!。」
そうヒロヒロチャンは言うと、
そこから折ったのです。
一番下の折ったところは、直径が2センチほどでした。

「よーし!。」そううれしそうに言うと、
山芋を”ビク”の中に入れたのです。
「よーし!。もう少し登って、この上を探そう!。」
ヒロヒロちゃんはそう言って、また登り始めました。


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