僕らは探検隊 V (3)

「いいよ!。手、離して!!。」と、ヒロヒロちゃんが言ったので、
「危ないよ!。落っこちたら死んじゃうかもしれないよ!。」
と、ユキちゃんが言うと、
「平気!。へいき!。心配しなくてもいいよ!。」
そうヒロヒロちゃんが、答えたのです。

「ほんと!?。」ユキちゃんがそう言うと、
「ユキちゃん!。大丈夫だから!。手、離して!。」
と、ヒロヒロちゃんが言ったので、
ユキちゃんは、心配だったのですが、言われたとおりに、手を離したのです。

ヒロヒロちゃんの身体は、少しづつ下に、下がっていきました。
直径が50センチほどの大きなパイプと、
直径が10センチほどの小さなパイプが見えました。
ヒロヒロちゃんは、大きなパイプに腹ばいになりました。
えびぞりになったのです。
それから足を穴から出すと、大きなパイプの上に、
身体全体が腹ばいになったのです。
大きなパイプに馬にまたがるようににすると、
一息ついたのでした。

今出てきた穴の一番下の面と、大きなパイプのあいだは、
60センチほどありました。身体を穴の下まで持ってくると、
パイプの上に上がったのです。
そして穴の入り口から頭を入れました。
そして身体全体を使いながら少しづつ上っていきました。
ヒロヒロちゃんが思っていた以上に、大変でした。
やっとの思いで、ユキちゃんがいるところまで、たどり着いたのでした。

ヒロヒロちゃんは、「疲れたあー!!」そう言ったのですが、
まだ腰から下は、穴の中でした。
「ずいぶん時間がかかったね?!。」そうユキちゃん言うと、
「穴から出るのは簡単だったけど!。」
「戻るのはびっくりするほど、大変だったよ!。」
「もうこの穴から下へは行かない!。」
「もし下りても、もうこの穴へは、戻らないよ!。」
「パイプを伝わって橋げたのところまでいけそうなんだ!。」
と、ヒロヒロちゃんは言いました。

その話を聞いたユキちゃんは、
「パイプのところから、橋げたの平らなところまで、
2メートル以上ありそうだよ!。」
「いったん下りたら、パイプに戻れないよ!。」
そう言いました。
「うん!。それをどうしようか、これから考えようと思うんだ!。」
「何かいい作戦はないかなあー?!。」
と、うれしそうに、ヒロヒロちゃんは言ったのです。

「ロープをパイプに巻きつけて、橋げたに下りても、
戻るときに、ロープの結び目がパイプの下にきてたら、
パイプの上に戻るのは、無理だと思うけどなあー?!。」
そうユキちゃんが言うと、
「そうかあー?!。」「ロープじゃだめかあー!。」
「よく忍者が使う”縄ばしご”ならいいかな?!。」
そうヒロヒロちゃんが、言いました。

「”縄ばしご”なんて見たことないよ!。」
「テレビや映画で忍者が城なんかを上ってく!。」
「あれだろ!?。ヒロヒロちゃん??!。」
そうユキちゃんが言うと、
「ユキちゃん見たことないの?!。」
「このあいだ、体育館の掃除当番だったけど、2階のところの
  古い鉄の箱の”非常用”って書いてある中に、
”縄ばしご”があったんだ!。」
そう得意げに、ヒロヒロちゃんは、話したのです。

「へえー!?。俺の、小学校の体育館の2階にも、あるかなあー??!。」
「今度、見てみよっと!!。」
そう、うれしそうにユキちゃんは、言ったのです。すると、
「ユキちゃんち学校の体育館は、まだ新しいからどうかなあー?!。」
「俺のところの体育館は古いから、あったのかも知れないよ!。」
「もしかすると、テレビや、映画で使っていたものかもしれない!?。」
そうヒロヒロちゃんが、言いました。

するとユキちゃんが、
「今度ヒロヒロちゃんち小学校に行って、その体育館にある、
”縄ばしご”を見せてよ!。」
「ヒロヒロちゃんが行っている小学校は、どこにあるの?!。」
と、訊いたのでヒロヒロちゃんは、
「そうだなあー?。ここから?!。」と言ったあと、しばらく考えて、
「けっこうある!。」
と、言ったのです。


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