僕らは探検隊 V (2)

「へえー!。それは面白そうだったなあー!!。」
「俺も行きたかったよ!。」
と、ニコニコしながら、ヒロヒロちゃんが言うと、
「手もキズだらけで、足もひざも擦りむいたり、
切って血が出たりして、痛かったよ!。」
「でもなんか、探検できて面白かったけど!。」
と、ユキちゃんが、うれしそうに言いました。

日曜日なのでふたりだけが、
体操服で町を歩いていました。
ほかの子供たちは、ふつうの服を着て歩いていたのです。
「ちょっと目立ちすぎかなあー?!。」
そうユキちゃんが言うと、
「しかたないさ!。」
「ふつうの服じゃあー!。汚れるから!。」
とヒロヒロちゃんが言いました。

ふたりとも、ニコニコしながら目的の橋まで、歩いて行きました。
「もうすぐ三日月橋だ!。」
そうヒロヒロちゃんが言うと、
「あそこの信号を右に曲がればすぐだね!。」
ユキちゃんが言いました。
橋に着くと、ヒロヒロちゃんが、
向こう岸の方をキョロキョロ見たのです。
「何見てるの?!。」と、ユキちゃんが訊くと、
「うん!。怪しいヤツがいないか、見てるんだ!。」
そう、ヒロヒロちゃんが言いました。(そう言う、お前が怪しい!?)

ユキちゃんも同じように、向こう岸を見たのです。
「別に誰もいないようだよ!?。」ユキちゃんがそう言うと、
「そうだな!。」「じゃあ!。探検を開始するか!?。」
「ユキちゃん!。俺が先、入るから!。」
「入り口のとこにいて、俺が”いいよ”って言ったら、入って来な!。」
「わかったぁ?!。」そうヒロヒロちゃんが言ったので、
「うん!。わかった!!。」と、答えたユキちゃんでした。

入り口にいたユキちゃんは、ヒロヒロちゃんが、
「いいよ!。」と、言ったので、
入り口から中を覗きました。すると、真っ暗でした。
「ヒロヒロちゃん!。懐中電灯は?!。」
そう暗いほうに向かってユキちゃんが言うと、
「ちょっと待って!。今、ポケットから出すから!。」
そう言ってしばらくすると、明かりが見えたのです。

「ユキちゃん!。そのまま上がって来て!。」
そう言うとヒロヒロちゃんは、ユキちゃんの方に向かって、
懐中電灯を照らしたのです。
ヒロヒロちゃんまでの距離は、2mぐらいしかないのですが、
狭いのでなかなか前に進みません。
「いいよ!。ゆっくりで!。」と、ヒロヒロちゃんが言ったので、
ユキちゃんはゆっくり、上って行きました。

ユキちゃんがヒロヒロちゃんのところに近づくと、
「その穴の下のとこはどうなっているか見てみるから、
ユキちゃん!。少し下に下がってくれる?!。」
そう言われたユキちゃんは、
「今度は下がるの?!。」
「上がったり下がったりで、狭いからちゃんと言ってくれなきゃあー?!。」
と、言ったのです。
「ごめん!。暗くて狭いから感覚がわからないんだ!。」
そう答えた、ヒロヒロちゃんでした。

「穴の一番下まで覗いてみるから、ユキちゃん!。足を持ってて!。」
そうヒロヒロちゃんが言ったのです。
「持つのはいいけど、危ないよ!!。」
「落っこちたら、下は川だから、パイプもあるし!。」
ユキちゃんがそう言ったのですが、ヒロヒロちゃんは、
「大丈夫だよ!。狭いからそんなに簡単に落ちやしないさ!。」
そう答えたのです。そして、
「懐中電灯持ってて!。落としたらお母さんに叱られるから!。」
そう言うと、ひも付きの懐中電灯を、ユキちゃんに手渡したのです。

ユキちゃんはヒロヒロちゃんから懐中電灯を受け取ると、
ズボンのポケットに入れたのです。
ヒロヒロちゃんは、下に伸びた管をゆっくり下がっていきました。
ユキちゃんはヒロヒロちゃんの足首を持つと、
ヒロヒロちゃんと同じように、頭から管の中に入っていきました。
上半身だけすっぽり中に入ると、
「ヒロヒロちゃん!。もうこれ以上無理だよ!。」
そうユキちゃんが言うと、・・・


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