僕らは探検隊 U (7)

「おじさん!。俺。ちょこっと、昼ごはん食べてくるから、
そのあいだ、この子預かっといて!。」
と、お店のおじさんに向かって言いました。すると、
「ああいいよ!。あわてなくていいからな!。」
「昼ごはん食べてるあいだ、ここでマンガ見てればいいよ!。」
と、言ってくれたのでした。

「ありがとう!。」
「じゃあ!。ユキちゃん!。ここで待っててね!。」
そう、ヒロヒロちゃんは言うと、 自分の家に戻ったのでした。

一緒にいたよっちゃんが、ヒロヒロちゃんと行かないので、
ユキちゃんは、
「よっちゃんは、行かないの?!。」
と訊くと、
「わたしは、12時になったときにうちに戻って、
お昼ご飯を食べて来たから、い。い。の!。」
そうほざいたのです。いいえ、
そう答えたのです。

「ふーん!。」
そう言うとユキちゃんは、またマンガの続きを読み始めたのでした。
しばらくすると、うちにお昼を食べに行った、
ヒロヒロちゃんが、床屋さんに戻ってきました。
「ユキちゃん、じゃあ!。これから行こうかあー!。」
「おじさん!。ありがとう!。」
そう言うと、
ヒロヒロちゃんと、ユキちゃんは土手に向かって歩いていきました。

「ヒロヒロちゃん!。よっちゃんは一緒に行かないの?!。」
そう言うと、
「女はだめだよ!。」
「ぜったいに、やめろって言うに決まってるから!。」
そう言ったので、
「悪いことでもするの?!。」
そう訊くと、
「違うよ!。」
「ちょこっと、橋を探検するだけだよ!。」
そう答えました。

橋の入り口の土手につくと、ヒロヒロちゃんは、
上流のほうに歩いていきました。
「ヒロヒロちゃん!。橋はこっちだよ!。」
そうユキちゃんが言うと、
「違うよ!。あっちの橋だよ!。」
と、指でさして、
「三日月橋さ!。」と、言いました。

「三日月橋かあ!?。」
ユキちゃんは、バスや自動車に乗って、渡ったことはありましたが、
歩いて渡ったことはありませんでした。
ヒロヒロちゃんちに来るときに渡ってくる橋より、
1キロほど上流に架かっていたのです。
アーチ状になっていて、三日月を伏せたように見えたので、
三日月橋と、みんなそう読んでいました。

ヒロヒロちゃんのところに急いで走っていくと、
「少し歩くけどな!。」
と言ったので、
「俺。歩いて渡るの初めてだよ!。」
「バスや車でしか渡ったことがないよ!。」
「だって遠いし、知っている家(うち)も近くにはないから!。」
そう言うと、
「1年生だからなあ!。」
「無理もない!。無理もない!。」
と、大人のような言い方をしたのでした。

土手をしばらく歩いていくと、
三日月橋の入り口に着きました。
ヒロヒロちゃんは、ゆっくりと、周りをぐるっと見渡したのです。
そして、言ったのです。
「ユキちゃん!。向こうの入り口のほうがいいよ!。」
と言ったので、
「どこを探検するの?!。」
と訊くと、
「うーん!。」
「とにかく向こうに歩いていこうよ!。」
ヒロヒロちゃんはそう言って、
向こう岸のほうに向かって橋を歩いていきました。

「ヒロヒロちゃん!。待ってよ!。」
そう言いながら少し早足で、
ヒロヒロちゃんのあとをユキちゃんは、追いかけたのでした。
「知ってるヤツがいたんだ!。」
「アイツうるさいから!。」
そう言うと、少し早足で歩いたのです。
橋を渡りきる手前で停まりました。

「ここさ!。」
アーチ状になっている付け根から、
2mほどのところの、アーチを支えているH鋼のところを、
指さしてそう言いました。


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