僕らは探検隊 U (6)

床屋に入ると、ヒロヒロちゃんが椅子に座って、
ちょうど髪を刈られてる途中でした。
「ヒロヒロちゃん!。いつ終わるの?!。」
そうヒロヒロちゃんに向かって言いました。

ヒロヒロちゃんは困った顔をしました。すると、
「ごめんね!。今日は、込んでいてさっき始めたばかりだから、
あと、15分ぐらいかかるよ!。」
「そこの本でも読んで、待っていてくれる!?。」
そう店の人が言ったので、
「うん!。」
そう、ユキちゃんは答えると、
長いすに座って、本を選び始めました。

本を選んでいると、背中を軽く、ぽんぽんとたたかれました。
振り向くと、ヒロヒロちゃんの妹のよっちゃんでした。
「よっちゃん、いたのかあー!。」
そうユキちゃんが言うと、
「気がつかないんだから!。失礼しちゃう!!。」
そう、ふくれっつらをして言いました。

「ごめん!。ごめん!。」
「よっちゃんも一緒に髪を刈るの?!。」
そう言うと、
「私は、このあいだやったばかりだから、
お兄ちゃんについてきたの!。」
「マンガが読めるから!。」
と、うれしそうに言いました。

そこの床屋は、マンガ本や、大人が読む小説や、
いろんな本が棚にたくさんありました。
ユキちゃんは、透明人間という本を手に取りました。
「これ!。おもしろい?!。」
と、よっちゃんに訊くと、
「読んだことない!!。」
と言ったのです。

「読もうかなあ!?。」
と言ったのですが、少し厚い本だったので、
「15分ぐらいかあー?!。」
「無理だな!。」
そう言うと、
マカロニほうれん荘という、マンガの本を手に持つと、
読み始めました。

そしてしばらくすると、小さな声で笑ったのです。
徐々に笑い声が大きくなりました。
「ユキちゃあーん!。笑い声が大きいよ!。」
よっちゃんにそう言われると、
「ごめん!。ごめん!。」
「でも!。これおもしろいぜ!。」
「ここのとこなんて!。」
そう言うと、そのおもしろいせりふのところを、
指差したのでした。

よっちゃんは、ユキちゃんが指差したところを、 読みました。そして少し笑いましたが、
「おもしろいけど!。そんなに笑うかなあー?!。」
と言うと、
自分が読んでいたマンガをまた、読み始めました。
「この笑いが、わからないかなあー?!。」
そう、よっちゃんのほうを見て言いましたが、
よっちゃんは、無視してマンガの本を読んでいました。

ユキちゃんは、ほかにもお客さんがいたので、
大きな声で笑わないように、クスクスと、
声を抑えて笑いながら読んでいました。
夢中で読んでいたので、
ヒロヒロちゃんが、髪を刈り終えたのは、気がつきませんでした。

「おまたせ!。」
そうヒロヒロちゃんが大きな声で、ユキちゃんに声をかけると、
「びっくりしたあー!。」
と言いました。 ユキちゃんは、本当にびっくりしたのですが、
その言い方が面白かったのでしょう。
お店の人も、ほかのお客さんも、みんな大笑いしたのです。

「ヒロヒロちゃん!。これからご飯食べるの?!。」
そう訊くと、
「お兄ちゃんね!。朝寝坊したんで、
床屋さんに来るのが遅かったの!。」
「だから漫画を読みながら待っていたの!。」
よっちゃんがそう言うと、
「お前よけいなこと言うな!。」
そう、よっちゃんに言いました。
「だって、本当のことだもん!。」
と、よっちゃんは言い返しました。

「ヒロヒロちゃん!。ご飯食べてきなよー!!。」
ユキちゃんがそう言うと、
「そうだなあー!。そうするか!。」
「ちょっと腹減ったから、お茶漬けで食べてくるよ!。」
と、ヒロヒロちゃんは言ったのでした。


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