僕らは探検隊 U (5)

「これって、アリンドの卵?!。」
ユキちゃんがそう訊くと、
「アリンドの卵だよ!。」
ヒロちゃんがそう言いました。
「シュンちゃん!。アリンド?!。」
こんどは、シュンちゃんにきくと、
少し首をかしげながら、
「たぶん!。アリンドの卵だよ!。」
「こんなにいっぱいあるからね!。」
そう答えたのです。

ユキちゃんは、そういう意味で訊いたのではなく、
”アリ”は、”アリンド”とも言うのかと訊きたかったのですが、
まあいいかと思いそのままいっしょになって、
”アリ”のことを、”アリンド”と言ったのです。

「この卵を飼えばアリンドが出てくるのかなあ?!。」
「餌はいらないのかなあ?!。」
そう、シュンちゃんが言うと、
「きっと!。アリンドが生まれてくるさ!。」
「でも餌がいるのかわからないから、
元に戻そう!。」
そうヒロちゃんが言うと、3人で掘って出た土を、
手で、一生懸命に戻し始めたのでした。

土を、ほとんどきれいに戻しましたが、
最初の土の高さより低いので、ほかの場所から土を持ってきて、
そこにのせたのでした。
「もう!。お昼だよ!。」
ヒロちゃんちお母さんの声がしました。

「お昼食べたら何で遊ぼうか?!。」
ヒロちゃんが言いました。するとユキちゃんが、
「俺はお昼食べたら、ヒロヒロちゃんちに遊びに行くんだ!。」
「一緒に行く?!。」
そう言うと、ヒロちゃんが、
「誰、それ?!。」って訊くので、
「知り合いの子供!。」
「向こう岸に住んでいるんだ!。」ってユキちゃんが答えました。

「橋を渡っていくの?!。」
ヒロちゃんがそう訊くので、
「そうだよ!。」と、ユキちゃんが言うと、
「知らない子だから、行かないよ!。」
そうヒロちゃんが言うと、
「ヒロちゃんが行かないなら、俺も行かない!。」
そう、シュンちゃんも言いました。

「わかったよ!。」
「じゃあねー!。あしたね!。」
そう言うと、ユキちゃんは、
急いで家に戻ったのでした。
手が、釘の錆びと、土で汚れていたので、
手を洗いました。でも、土の汚れは取れたのですが、
錆びの、赤茶けた色はいくら石鹸でこすっても取れませんでした。

「なかなか取れないなあ!?。」
「まあ、いいかあー!。」
そう言うと、おばあさんが用意してあった、
昼ごはんを食べたのでした。
「ヒロヒロちゃんちに行ってくるよ!。」
ご飯を食べ終わると、おばあちゃんにそう言いました。

「気をつけてね!。」
「迷惑かけるようなことをするんじゃあないよ!。」
そう、おばあさんが言うと、
「わかってるよおー!。」
「行ってきまあーす!。」
と大きな声で言うと、
ニコニコしながらユキちゃんは、出かけたのです。

ユキちゃんの家から少し上流に橋が架かっていました。
ヒロヒロちゃんの家はその橋の近くでした。
「ヒロヒロちゃん来たよ!。」
そう玄関を開けて言うと、返事がありませんでした。
「おかしいなあー?!。」
声が小さくて聞こえなかったのかと思い、
もう一度、もっと大きな声で、
「ごめんください!!。」
と言うと、奥から、
「はーい!。」と、声が聞こえました。

しばらくすると、ヒロヒロちゃんちのお母さんが出てきたのです。
「ユキちゃん!。こんにちは!。」
そう言ったので、
「こんにちは!。」
「おばさん!。ヒロヒロちゃんは?!。」
そう訊くと、
「ごめんね!。今まだ、床屋なの!。」
「きょうは、日曜で込んでるみたいで、
まだ戻ってないのよ!。」
「すぐそこだから、行ってみて頂戴!。」
そう、ヒロヒロちゃんちお母さんに言われたので、
「うん!。行ってみるよ!。」
そう答えると、すぐ近くにある床屋に出かけたのでした。


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