僕らは探検隊 T (13)

「渡しかあー!?」トコちゃんが言いました。
「お前たち!いやなのか?!」お兄さんが言いました。
「なんで??!」ユキちゃんが訊きました。
「前にも怒られてるし、今日も怒られたからなあー?!」
シュンちゃんが言いました。
「とにかく、帰るんだったらこの道を行って、土手に出なきゃあーなあ!?」
お兄さんが言いました。

「お兄さん!。堤防までここからどのくらいあるの?!」
ユキちゃんが訊きました。
「そうだなあー?!。」
「だいたい400mぐらいかなあ?!。」
「あっても500mぐらいなもんだよ!」
お兄さんが答えました。
「500mかあ!?。」
「よかった!。1キロや2キロなくって!。」
そうユキちゃんが笑って言いました。

「ここに缶があるから、缶けりしながらいこうかあー!?」
落ちていた缶を見つけてトコちゃんが言いました。
「よーし!。俺が最初にけるから年の順にな!」
そう言うと、お兄さんが空き缶を最初にけったのです。

トコちゃん。シュンちゃん。ユキちゃん。の順番で、
缶けりをして堤防までの道を行ったのです。
「缶けりをしながら道を行くと早いね!」
ユキちゃんが堤防のとこまできたときに言いました。

「よーし!。ここを上れば土手だから!」
そう言うと、お兄さんは階段を上って土手の上に行ったのです。
みんなも続けて上って行きました。

土手から川沿いに堤防が、上流までありました。
すぐ下には渡しの船着場が見えます。
「俺やっぱり!。歩いて帰るよ!。」
「あの親父いるもん!。」
船着場を見てシュンちゃんが言いました。
「そうだなあー!」
トコちゃんも、船着場を見て言いました。

「上の橋まで1キロぐらいあるぞ!」
「そこから橋を渡って、お前たち家まで4,500mあるだろう!」
「たいへんだぞ!」
お兄さんが言いました。
「うん!。わかってるけど!。」
「いやだなあー!やっぱり!。」
「ここから歩いて帰るよ!。」「じゃあねー!。」
そう言って、シュンちゃんは、土手を橋に向かって歩き出したのでした。

「まってよ!。シュンちゃん!。」
「ひとりじゃあ、かわいそうだから!。」
「俺も一緒に歩いていくよ!。」
そうトコちゃんは言うと、シュンちゃんを急いで追いかけたのでした。
「おまえはどうするんだ?!」
お兄さんは、ユキちゃんに言いました。
「俺はもう疲れたから、船で行くよ!」
ユキちゃんは言いました。
「そうかじゃあ!船着場まで行くか!」
そうお兄さんが言うと、二人は土手を降りて、
堤防の下の船着場まで降りていきました。

船着場に下りてじきに、向こう岸の船着場に人が来ました。
それを見ると二人に向かって、船頭が言いました。
「おい!小僧ら!。船に乗るのか?!」
「うん!。おじさん!。乗せてもらうよ!。」
お兄さんが言いました。

「そうか!。じゃあ早く乗れ!。」
そう船頭が言ったので、ユキちゃんは、急いで乗ろうとしたときに、
耳元でお兄さんが小さな声で言ったのです。
「船をゆらすなよ!」
「うん!わかった!。」
ユキちゃんは、そう答えると、船をゆらさないように慎重に乗るとすぐに、
船に張ってある板に腰をおろしたのでした。

船頭はユキちゃんが座ったのを確認すると、
すぐに船を出したのでした。
船に乗っているあいだじゅう、二人は無言でした。
船着場に着くと、
「降りていいぞ!。」と船頭が言ったので、
二人は、船をゆらさないように慎重に降りたのでした。

いっぽう、土手を歩いて行ったトコちゃんと、シュンちゃんは、
「もう少しで橋の入り口だ!」トコちゃんが言うと、
「やっと橋かあー!」
「やっぱあー!けっこうあるね!。」
シュンちゃんが言いました。

「岩山登りもしたし、ほら穴探検もしたから、足がパンパンだよ!。」
トコちゃんが言いました。
「そうだね!。ゆっくり行こう!。」
シュンちゃんはそう言うと、ゆっくりな歩きかたに変えました。
トコちゃんもゆっくりな歩きかたに変えました。


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