僕らは探検隊 T (12)

お兄さんを先頭にまたゆっくりと前に進んでいったのです。
「すべるから、慎重にな!」お兄さんが言いました。
「本当によくすべるなあ!」そう言ったあとに、
トコちゃんの顔に水滴が落ちてきたのでした。
「つめてえー!」そう言うと、腕の袖で拭いたのでした。
足元に気をつけながら進んでゆくと、
「あそこから明かりが漏れているぞ!」
「あそこだきっと!。」
「やっと、出られるぞ!。」と、お兄さんが言いました。

「出口が見つかってよかったよ!」シュンちゃんが言いました。
「ほんとだ!。明るいね!」ユキちゃんが言いました。
「ズボンにぬるぬるがついて、気持ち悪いよ!」
「早く明るいとこに出て拭かないと!」そう、トコちゃんが言いました。
「よーし!あともうちょいだ!」お兄さんが言いました。

明かりは見えていますが足元は暗いので、
滑らないようにゆっくり歩いていきました。
近くに行くと天井の斜め上のところから岩が崩れたように、
ほら穴の中に向かって階段状に岩が重なっていました。

「よーし!ここが出口だ!」お兄さんが言いました。
「やっと!。着いたね!」トコちゃんが言いました。
「じゃあ!俺が先に出てみるから!」お兄さんがそう言うと、
ペンライトを、自分のポケットにしまい、階段状になっている岩を登っていきました。
「おーい!。すぐ近くに道があるから!」
「みんな順番に、上がってこい!」お兄さんが言いました。

それを聞いたシュンちゃんが言いました。「トコちゃんからでいいね!」
「うん!。」ユキちゃんがそう答えました。
「じゃあ!。俺が最初に行くよ!」そう言うと、岩を登っていきました。
トコちゃんが外に出るとすぐに、
「いいよ!あがってきて!」トコちゃんの声でした。
「シュンちゃん!。先いきなよ!」ユキちゃんが言いました。
「うん!」そう言うと、シュンちゃんが登っていきました。
シュンちゃんが外に出るとすぐに、
「ユキちゃんいいよ!」トコちゃんの声がしました。
「よーし!」そう言うと、ユキちゃんが登っていきました。

最後にユキちゃんが外に出るとみんなが出口で待っていました。
「まぶしいねえ!」ユキちゃんが言いました。
「うん!。映画館から出てきたときのようだ!」
トコちゃんが言いました。
「そうだ!そうだ!」シュンちゃんが言いました。
出たところから5〜6m下のところに幅が1mほどの道がありました。

「そこの道を下ってけば、広い道路に出るから!」
お兄さんが道を指さして言いました。
「でもこれじゃあ!。みっともないよ!。」
トコちゃんがズボンを見て言いました。
「じゃあ!。草かなにかで、ある程度汚れてるとこを落とさなきゃ!。」
お兄さんがそう言うと、シャツと、ズボンを脱いで、
パンツと、ランニングになりました。
みんなも、同じようにシャツと、ズボンを脱いで、
パンツとランニング姿になりました。

みんなはそれぞれ、自分のシャツとズボンの汚れを落とそうと、
あたりに落ちている枝切れや草を使って、夢中で落としたのでした。
「こんなもんでいいよ!」
「どうせ、おばあちゃんに怒られるんだから!」
一番最初にユキちゃんが言いました。

「そうだな!。どうせこんなに汚したんだから怒られるよ!」
シュンちゃんが言いました。
「おばあさんに言って、お母さんに内緒にしてもらうかなあー」
トコちゃんがそう言うと、
「だめだよ!3人できたんだから!」
「一人だけ内緒にはできないよー!」シュンちゃんが言いました。

「お前たち近所だから、ごまかせやあーしないさ!」
お兄さんが言いました。
「そうだな!じゃあいいや!」
「もうこれ以上、汚れは落ちないや!」そうトコちゃんが言いました。
「俺もやめた!これ以上むりだ!」
ペンライトを取るために、シャツが一番汚れてしまったシュンちゃんが言いました。

「これで帰るか!」そうお兄さんが言いました。
「そうだね!。かっこ悪いけど!」
トコちゃんはそう言うと、ズボンとシャツを着始めました。

「ユキちゃん!。俺たちも着るか!」シュンちゃんがそう言うと、
「うん!」とユキちゃんが答えて、ズボンとシャツを着始めました。
お兄さんはもう、服を着ていました。
トコちゃんが着終わると、じきにユキちゃんと、シュンちゃんも、
着終わり、全員ですぐ下の道のところまで、降りたのでした。

岩山の道を降りてすぐのところを左に行くと、
じきに松林と平行に通っている道に出たのでした。
「よーし!。ここまでくればあとは簡単だ!」
「この道を道なりに行って、土手を越えれば船着場に出るからな!」
お兄さんがそう言うと、
「また、渡しで帰るの?!」シュンちゃんが言いました。


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