僕らは探検隊 T (11)

「どこだ!?」お兄さんが言いました。
「あそこだよ!」シュンちゃんは、指でペンライトがあるほうを、
指でさしていますが、暗くて何も見えません。
「あそこだ!」ユキちゃんも見つけて言いました。
同じように指でさしていますが、お兄さんのほうからは見えません。
「拾えるか!」お兄さんが言いました。
「やってみるよ!」ペンライトが、落ちているところに一番近い、
シュンちゃんが言いました。
「おおー!頼む!」お兄さんが言いました。

石と石の間に落ちていましたが、ちょうど手を入れにくいところにありました。
まくってある袖をさらにまくってシュンちゃんは、
からだを折り曲げて右手をいっぱい伸ばしたのでした。
少し前にいるお兄さんやトコちゃんからはぜんぜん見えませんでした。
ユキちゃんからもシュンちゃんが手を入れるとぜんぜん見えなくなりました。
シュンちゃん以外の3人は、ほかの位置から見えるとこはないか探して、
シュンちゃんが手を入れているとこの周りを、とり囲みました。

「ここからは見えるんだけど!。手なんか入らない隙間だよ!。」
トコちゃんが言いました。
「ここもそうだ!」お兄さんが言いました。
「俺のとこからは明かりしか見えないよ!」ユキちゃんが言いました。
「だめだあー!。何か棒があれば、取れるとこまで持ってこれるのに!」
くやしそうに、シュンちゃんが言いました。
「こんなとこに棒なんか落ちてないよなあー!?」
トコちゃんが言いました。

下に落ちちゃっているペンライトの明かりでは、
周りの様子は暗くてよくわかりませんでした。
お兄さんがからだをひねったときに漏れてる明かりで、
ベルトが見えたので、「お兄さん!、そのベルトはだめ?!。」と、
ユキちゃんがお兄さんに訊いたのでした。
「これかあー!?、そうだな!。」と言ったあと、
「ベルトをはずすか!」そう言って、ベルトをはずしたのでした。

「このバックルのほうでペンライトを引っ掛けれれば、手前にこらせそうだな!。」
そう言うと、シュンちゃんにベルトを手渡したのでした。
「ベルトについている金具のことを、バックルってゆうんだ!?」
ユキちゃんが驚いた感じで言いました。

「お前!。そんなことも知らなかったのか?!」お兄さんが言いました。
「うん!。学校で習ってないもん!!」くやしそうにユキちゃんが言いました。
「じゃあ!、お兄さんはいつそのことを知ったの?!」
「俺かあー??」ちょっと考えて、
「確か1年のときかなあー!?」お兄さんが答えると、
「じゃあー!。同じじゃあー!!」
ユキちゃんがはすをとんがらせて言いました。
「そうだな!。わるい!わるい!。」お兄さんが謝りました。

そんなことを言い合っているときに、シュンちゃんは一生懸命に、
ペンライトをベルトのバックルのところで引っ掛けて、
少しづつ手が届くところまで、持ってきていたのでした。

だいぶ手前にもってきていたペンライトを、
試しに腕を伸ばして取ろうとしましたが、
指先はさわるのですがつかめませんでした。
「あともうちょいだ!」そう言うと、
もう一度ベルトを使い、もっと手前に引き寄せたのでした。

「ここまで持ってくれば、もう!取れるだろう!。」
そう言うと、再び腕を伸ばしたのでした。
「よーし!。つかんだぞ!。」
笑みを浮かべて言いました。
そして折り曲げていたからだをいっぱいに伸ばし、
立ち上がって言いました。
「やったあー!!」右手でペンライトを上げて、
左の手にはベルトを持っていました。

ペンライトと、ベルトをいっしょに渡そうと、
自分の前に二つを持ってきたときに、気がついて言いました。
「お兄さん!。ペンライトとベルトが、こんなに汚くなちゃったよ!」
「ごめん!!。」
シュンちゃんが言いました。
「謝ることはないさ!。」「俺が落としたんだから!。」
「そんなことより助かったよ!。サンキュウ!。」
そうお兄さんは言ったのでした。

岩についていたぬめりと、地面の砂とで、ものすごく汚れてしまったのでした。
手でかなり汚れを落として、自分のズボンであとは拭いたのでした。
「こんなもんでいいだろう!。」そう言ってから、
「もうペンライトは、絶対に落とさないからな!」
「よーし!。天井の穴のところまで行くぞ!みんな!。」
お兄さんがそう言うと、
「おおー!」と言って、3人は右手のこぶしを高く上げたのでした。


戻る | |TOPへ | | 次へ 

      ブログ 夢計画実行委員会
       へもどうぞお寄りください。
(別ウインドウで表示します。)
     


|HOME TOPへ |


Copyright © 2007 taazann007, All rights reserved.